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奇跡のバッテリー!? 先発投手と捕手の誕生日は、生まれた年も含めてまったく同じ

宇根夏樹ベースボール・ライター
デビン・メゾラコ(ニューヨーク・メッツ)May 15, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月23日、イライアス・スポーツ・ビューローはこうツイートした。「ジェイコブ・デグロムデビン・メゾラコはともに1988年6月19日に生まれた。信じ難いことだが、同じ日に生まれたメッツの先発バッテリーは彼らが最初ではない。9試合(1995~98年)でバッテリーを組んだボビー・ジョーンズアルベルト・カスティーヨは、1970年2月10日に生まれた」

 この半月前に、メゾラコはシンシナティ・レッズからニューヨーク・メッツへ移った(交換にマット・ハービーが移籍した)。デグロムの球を受けるのは、5月23日が3試合目だった。

 同じ生年月日の投手と捕手が、先発バッテリーを組む。メッツだけでなくメジャーリーグ全体でも、こういった例は少ない。調べてみたところ、ジョーンズ&カスティーヨの9試合目(1998年6月22日)からデグロム&メゾラコの1試合目(2018年5月13日)の間には、1998年8月30日にアナハイム・エンジェルスでバッテリーを組んだジェフ・ジュデンフィル・ネビンしか――見落としや年齢などの詐称がなければ――いなかった。この2人は、1971年1月19日に生まれた。

 同じ生年月日の投手と捕手なら、現在も何組かいる。例えば、ダルビッシュ有(シカゴ・カブス)とマーティン・マルドナード(ロサンゼルス・エンジェルス)は、どちらも1986年8月16日生まれだ。ただ、2人は一度もチームメイトになっていない。1986年3月6日に生まれた、ジェイク・アリエタ(フィラデルフィア・フィリーズ)とフランシスコ・セベリ(ピッツバーグ・パイレーツ)も同様だ。

 また、ザック・デュークは今シーズンからミネソタ・ツインズで投げていて、チームメイトには同じく1983年4月19日生まれのジョー・マウアーがいる。だが、デュークの先発登板とマウアーの捕手出場は、いずれも2013年が最後だ。

 1999年の夏には、グレッグ・マイヤーズがサンディエゴ・パドレスからアトランタ・ブレーブスへ移り、そこから19試合でスタメン・マスクをかぶったが、同じ生年月日(1966年4月14日)のグレッグ・マダックスとバッテリーを組むことはなかった。マダックスの球は、マイヤーズの移籍前を含む33試合とも、エディ・ぺレスが受けた。マダックス&マイヤーズが実現していれば「同じ生年月日のグレッグ(グレゴリー)による先発バッテリー」となっていただけに、トリビアという点では惜しまれる。

 デグロム&メゾラコには「同じ生年月日の2人が誕生日に先発バッテリー」を組むことを期待したい。メッツは6月19日に、コロラド・ロッキーズと対戦する。ジョーンズ&カスティーヨとジュデン&ネビンの2組は、どちらも誕生日がオフシーズンなので、このトリビアは実現不可能だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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