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デビュー2試合で長打5本は1900年以降の新記録。次の試合も打つと3試合の最多本数も上回る!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
リース・ハインズ(シンシナティ・レッズ)Jul 8, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月9日、リース・ハインズ(シンシナティ・レッズ)は、5打席に立ち、1打席目と5打席目の三振の間に、二塁打、三塁打、ホームランを打った。

 この日は、メジャーリーグの出場2試合目。前日の3打席は、遊撃ゴロ、二塁打、ホームランだった。

 スタッツ・センターによると、最初の2試合で長打5本は、1900年以降の新記録。それまでは、7人が記録した4本が最も多かったという。

 それぞれの長打4本は、1942年のエド・フリードが二塁打3本と三塁打1本、1965年のカート・ブレファリーが二塁打2本とホームラン2本、1997年のベン・グリーブが二塁打4本、2008年のクリス・ディッカーソンが二塁打3本と三塁打1本、2009年のイアン・デズモンドが二塁打3本とホームラン1本、2018年のフランシスコ・アーシアが二塁打2本とホームラン2本、2018年のラウディ・テレーズ(当時トロント・ブルージェイズ/現ピッツバーグ・パイレーツ)は二塁打4本だ。4人目のディッカーソンは、ハインズと同じく、レッズの選手としてデビューした。

 また、ハインズの2本塁打の推定飛距離は、スタットキャストによると、449フィートと458フィート。MLB.comのサラ・ラングスは、2015年以降の「スタットキャスト・エラ」において、最初のホームラン2本がどちらも445フィート以上は初、と謳っている。

 ハインズは、23歳の外野手だ。2019年のドラフトで、レッズから2巡目・全体49位指名を受け、IMGアカデミーからプロ入りした。昨シーズンは、AAの109試合で打率.269と出塁率.330、23本塁打と20盗塁。今シーズンは、昇格までに、AAAの77試合で打率.216と出塁率.290、13本塁打と12盗塁を記録した。どちらのシーズンも、四球率は9.0%に届かず、三振率は32.0%を超えている。

 なお、最初の2試合で長打4本の7人のうち、ディッカーソンとテレーズは、3試合目に2本の長打を打った。ディッカーソンの3試合目は二塁打とホームランが各1本、テレーズの3試合目は二塁打2本だ。当時のブルージェイズのゲーム・ノーツによると、最初の3試合で長打6本は1913年以降の最多。2009年にアレックス・アビーラが最初の3試合で打った、長打5本を上回ったという。

 1900年以降ではなく、1913年以降というのは、1912年以前に最も多い選手がいたかどうかではなく、1912年以前のデータがなかったのが理由だと思われる。

 見落としがなければ、ディッカーソンとテレーズの後に、最初の3試合で長打7本以上の選手は、現れていない。ハインズは、次の出場試合で長打を1本打つと、彼らに並ぶ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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