創業4年！横手のランチ界に革命をもたらす『ほっこり処 福多朗』とは？

いよいよ本格的に夏がやってきた。……と思ったら最近は雨続き。秋田の曇った空を見ながら吐くため息の色も哀しみの灰色だ。

腹減ったな。なんかすげぇもの食いたいな。冴えない気持ちのときはこんなことを思ったりする。だが貧民ライターの私に贅沢をする金はない。横手のアスファルトに小雨と私の腹の音が鳴り響く。私はすがるような気持ちで一軒の食堂へと向かった。

今回訪れたのは横手駅から5分ほどの旧横手市エリアにある『福多朗』だ。私にとって未開拓の場所である。時刻は13時過ぎ。13時半までのランチタイムに私はなんとか滑り込んだ格好だ。

店内に入ると気の良さそうなご夫婦が迎えてくれた。カウンターの横に設置されたテレビからは「高校野球 秋田県大会」の実況が聞こえてくる。さあ、今日は何を食べようか。腹ペコの男にとって昼飯のチョイスにエラーは許されない。

品書き

鶏からあげ定食：850円、肉野菜炒め定食：850円、生姜焼き定食：850円、和風ハンバーグ定食：850円、焼き鯖定食：850円、すたみな丼：750円、焼きそば：600円

さすが横手。王道の食堂メニューの中にちゃっかり焼きそばが仲間入り。だが今日はご飯もので勝負したい。目の前の品書きには唐揚げ、ハンバーグ、焼き鯖と勝負強いラインナップが並ぶ。だがここはひとつ定食メニューの4番バッター「生姜焼き定食」に賭けてみよう。腹ペコの男にとって昼飯のチョイスは、最後の夏に賭ける高校球児に匹敵するのだ。（そんなことはない）

もはやパーティ気分！　福多朗のコスパ抜群のランチとは？

いよいよ生姜焼き定食が到着。……って、マジすか！

メインの生姜焼きを取り囲むように小鉢が5点も付いている。ワーオ。真夏のカムトゥゲザー。私は思わず配膳してくれたお母さんを二度見してしまった。これで850円（もちろん税込み）は横手でランチ革命が起こるぞ。

「おかわりのときは言ってくださいね」とお母さん。どうやらご飯は2杯まで無料のようだ。至れり尽くせりの最強ランチ。だがボリュームだけじゃなく、ひとつひとつの料理が美味しく温かみを感じる。味噌汁も抜群に美味い。私の経験上、味噌汁が美味いご飯屋さんは信頼できる。

生姜焼きを食べながらご飯をかき込む王道スタイルで真夏の昼をゆく。好物の茄子の煮浸しが嬉しい。箸休めに食べるキュウリの漬物が良い塩梅。最後にとろろをご飯にぶっかけよう。退屈な日常に突如やってきたパーティタイム。賑やかなご馳走に躍る胃袋。今日の昼飯はもはやコールド勝ちだ。

『ほっこり処 福多朗』の気になる夜の姿とは？

最高の昼飯を堪能した私だが、居酒屋タイムとなる「福多朗の夜」も気になるところ。私は腹がいっぱいにも関わらず目の前に並ぶおつまみメニューに思いを馳せた。今度は夜に来てみよう。私は心の中でそう誓った。

福多き朗らかなひとときを。元々スナックを営んできたご夫婦がもたらす、心がほっこりする優しい時間。

ごちそうさまをして店を出ると、雨続きの横手の空に晴れ間が見えた。