この春は記録的な高温 西からやってきた暖気
3月から続く記録的な高温は4月になっても収まる気配がない。原因は東アジア全体に流れ込んでいる暖かい空気だ。
この春の気温は記録的
東京は12日、今年2度目の夏日となり、13日も正午過ぎに気温が20度を超えました。
4月は日に日に気温が高くなる時期ですが、それにしても今年は気温が高い。調べてみると、4月上旬の平均気温は東日本で統計史上3番目に高い気温、サクラ前線の北上がこれまでになく早いのもうなずけます。
また、先月は東日本で統計史上最高、北・西日本は統計史上2番目の高温となりました。すでに1か月以上も平年を上回る暖かさが続いているのです。
なぜ、これほどまでに気温が高く、長く続いているのでしょう?
暖かさの状況をみてみると、日本と同じように中国やモンゴルでも気温の高い状態が続いていることがわかりました。
「天気は西から崩れる」とよくいいますが、「暖かさは西からやってきた」というのでしょうか。東アジア全体に暖かい空気が流れ込んでいるようです。
天気の世界ではスケールを重視します。狭い範囲で起こる現象は短い時間で終わりますが、広い範囲で起こっている現象は長い時間続くと考えます。
最新の1か月予報では、暖かい空気が大陸から流れ込む構図はしばらく続く見通しで、4月の気温も平年を大幅に上回る可能性が高いと思います。
日本の気温上昇率は春が一番
暖かすぎる春は今年だけではありません。全国では2015年以降3年連続で、西・東日本に限れば2013年以降5年連続で、気温の高い春です。
さらに、日本の平均気温をみても春は特別です。日本の平均気温はこの100年間で1.14度上昇しました。主な要因は温暖化。温暖化というと、夏の過酷な暑さや雪が少なくなった冬をイメージしますが、実は春の気温の上昇率が最も高くなったのです。
なぜ、夏でもなく、冬でもなく、春なのか?
当然のように疑問が湧きます。でも、答えがひらめかない。日本近海の海面水温もこの100年間で高くなっているものの、それは冬と秋なのです。
【参考資料】
気象庁:異常気象レポート2014
気象庁:海面水温の長期変化傾向(日本近海),診断(2017)
気象庁:1か月予報,2018年4月12日発表