台風の卵が複数発生中、今後も日本付近を指向する可能性
3つの台風が立て続けに日本の東を北上
関東~東北の太平洋沿岸に沿って北上した台風第7号は、昨日(17日)17時半頃、北海道襟裳岬付近に上陸し、その後21時に北海道内で温帯低気圧に変わったあと、オホーツク海へと抜けていきました。
北海道に台風が上陸するのは2007年(台風9号)以来9年ぶりで、本州などを通過したあとの再上陸を含めないと1993年(台風11号)以来23年ぶりという珍しいコース取りとなりました。
ところで、今回の台風7号を含め、これで8月に入ってから、5号、6号、7号と立て続けに3つの台風が日本の東海上を北上していくという状態が続いています。
例年なら、今の時期、太平洋高気圧が日本付近で強いため、台風は沖縄付近から中国大陸や朝鮮半島へ日本付近を避けるように大回りしていくことが多いものですが、今は日本のはるか東海上で高気圧が強いために、日本の南で発生する台風はこの高気圧の縁辺を回るように東~北日本を指向する形が続いているのです。
上空の天気図で確認
上図は8月に入ってからの上空約5500mの天気図です。
簡単にはオレンジ色の部分が平年よりも高気圧が強く、青い部分が高気圧が弱い(気圧の谷場)と考えられます。
日本付近に注目すると、日本のはるか東海上と朝鮮半島付近にオレンジ色の領域が広がっており、反対に日本の南からすぐ東の海上にかけて青色の領域が広がっています。これはもし南の海上で台風や熱帯低気圧が発生すれば、それらは東~北日本などを指向しやすい上空の流れになっていることを現しています。
熱帯低気圧は次々と日本付近を指向?
上図は18日(木)午前3時の天気図と19日(金)21時の予想天気図です。
日本の南で発生している複数の熱帯低気圧(台風の卵)が、台風5号、6号、7号と同じような進路をとり、小笠原~関東の南東海上へ進んでくる予想です。
もし上空の流れがこれまでとあまり変わらなければ、これらの熱帯低気圧は週末~週明けにかけて次々と関東などに近付いてくる可能性があります。
ただ日本付近で少しでも高気圧が強まれば、この高気圧を避けるように熱帯低気圧は西日本方面を指向する可能性もあります。今のところ、南シナ海の熱帯低気圧を除いてはすぐに台風となる予想はありませんが、今後予想が変われば、日本のすぐ近くで台風が発生し、いきなり接近する可能性も否定できません。
来週にかけての天気は、南海上にある複数の熱帯低気圧の動向に大きく左右されますので、最新の気象情報で確認するようになさって下さい。