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正の報酬 正の罰 負の報酬 負の罰

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。


「正」とは、プラスされる、与えられるという意味です。
「負」とは、マイナスされる、避けられる、取られるという意味です。

好きなものを貰えるのが「正の報酬」で、嫌なものを与えられるのが「正の罰」です。
嫌いなものを避けられるのが「負の報酬」で、好きなものを取られてしまうのが「負の罰」です。

私は、40代の時に、上記の概念を知って、
大変に驚くと共に、いろんなことに合点がいきました。

世の中には、毎朝早く起きて、満員電車に乗って会社に行き、厳しい上司に叱られ、出来の悪い部下から突き上げられ、文句も言わず仕事をしてらっしゃる方がたくさんいます。
私は、そういう人を、心の底から尊敬しているのですが…、
彼らが、何故そのような「正の罰」に耐えられるかと言うと、彼らは、給料日に「正の報酬」の象徴となるお金を貰えるからです。だから「正の罰」に耐えられるのです。

繰り返します。
彼らは、「正の報酬」を貰えるから、「正の罰」に耐えられる…ということです。

私は、生まれつき性格からなのかどうかわかりませんが、おそらく生まれつきなのでしょう、「正の罰」に耐える力が非常に弱いです。毎朝早く起きて、満員電車に乗って、嫌な会社に行くなんてことは、想像するだけで耐えられません。10年20年はおろか、1年2年も耐えられないでしょう。いくら「高い給料をやる」と言われても、無理です。

そんな私は、「正の報酬」に魅力を感じない、「正の罰」を徹底的に嫌う人…ということが言えるでしょう。と共に、「負の報酬」を好み、「負の罰」を厭わない人…、ということが言えるでしょう。

「負の報酬を好む」とは、やらなくていいことに魅力を感じる…という意味です。
「負の罰を厭わない」とは、「お金をあげないよ」ということに大した苦痛を感じない…という意味です。

思い返せば、私は、子どもの頃から、親に「ケーキを食べさせてあげるから、玄関を掃除しなさい」と言われても、その誘いに乗らないことが多々ありました。そう私は、「正の報酬」に魅力を感じない、「正の罰」を嫌う子どもだったからです。

その代わり、私は、「負の報酬」が大好きです。「正の罰」を与えられても、「負の報酬」を貰おうとします。「お金を余分に支払って指定席券を買ってでも、満員電車には乗りたくない」という気持です。この場合、お金を支払わされることを「正の罰」と言います。満員電車を避けられることを「負の報酬」と言います。

実際、私は、名鉄電車のミューチケット(特別車両券)をよく買います。これは地元ネタになって申し訳ないのですが、あんなにいいものはないなぁと思っています。

私は、自分が「負の報酬」が好きだと自覚するようになってから、生き方やお金の使い方が上手になりました。正の報酬を取りに行く代わりに、積極的に、負の報酬を取りに行くようになったからです。

あなたは、「正の報酬」と「負の報酬」、どちらが好きですか?
そして、あなたは、「正の罰」と「負の罰」、どちらに耐性がありますか?

例をあげます。
「ケーキをあげるよ」←正の報酬
「玄関を掃除しなさい」←正の罰
「玄関を掃除しなくていいよ」←負の報酬
「ケーキ食べさせてあげないよ」←負の罰

自分の特徴を知れば、今よりもっと、生き方が上手になります。
そして、お金を有効に使えるようになります。
上記の文章を読んで、どうぞ心軽やかに幸せに、生きていってください。


今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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