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【獣医師の緊急告知】欲しがる犬にお餅をあげても大丈夫? お魚、鳥、果物は?

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
(写真:アフロ)

今年のお正月は、コロナ禍なので家族で静かに暮らしましょう、といわれています。おうち時間が増えますね。

家で食事をする時間が多くなります。お屠蘇などを飲んでいるので、気がゆるみやすい時期ですね。そんなとき、普段は、ドッグフードしか与えていない愛犬に、お正月だからといって、少しおすそ分けをと思ってお餅などの食べ物をあげる人もいるかもしれませんね。

家族の人が美味しそうに食べていれば、きっと犬は興味を示してほしがることでしょう。お醤油やきな粉など、濃い味付けをしていなければ大丈夫と思ってしまうかもしれません。

そこで、お正月を前に、今回は、犬がお餅やお魚など、食卓にならびそうなものを食べて大丈夫かを考えましょう。それにあわせて、この時期の誤飲についてお話しします。知らないと愛犬を命の危険にさらす重要なことです。

今回のテーマは犬の食べ物のトラブル

写真:WavebreakMedia/イメージマート

通常は、誤飲は、食べ物以外を飲み込んでしまうことです。いまの時期、不織布のマスクの誤飲もありますね。その他にも焼き鳥の串などもありますので、犬の届かないところに片付けてくださいね。

今回は、お正月によく目にする食べ物の物理的閉塞についてのお話しです。 

小型犬ののどの直径が10mmもないですので、注意してくださいね。具体的にいえば、小型犬ののどは、10mmもないトイレットペーパーの芯のようなものだと思って食べ物を与えると、誤飲の事故は防げるかもしれません。それでは、のどに、食べ物が詰まらないように具体的に見ていきましょう。

犬は味付けしていないお餅なら大丈夫?

写真:GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート

お正月だし、少しぐらいなら愛犬にお餅をあげても大丈夫だと思っていませんか?

お餅をあげるのは、絶対にやめてくださいね。のどに詰まり命の危険にさらすこともあります。お醤油など味がついていなのなら大丈夫だと思わないことです。お正月ムードが一遍に吹き飛びます。

年始に、人では、お餅を詰まらせる事故のニュースがよく流れます。犬もお餅をあげるとのどを詰まらせる危険性があるのです。

お餅は口腔内に入ると、粘度があるので、のどの付近で詰まったりします。それで、窒息する可能性が高まるのです。お餅を食べるのは、飼い主だけにして、かわいい愛犬がいくら欲しがってもあげないでくださいね。

鯛の骨

写真:アフロ

お正月なので、鯛を食べることが多くなりますね。

鯛の身の塩味などがついていないところを犬に少しあげるくらいであればよいでしょう。

しかし、鯛の骨は特に硬いので、絶対に与えないでください。口腔内や胃腸を傷つけてしまうからです。気をつけてあげてくださいね。ゴミ箱に鯛の骨を捨てるときも、犬に食べられないようにしてください。

鳥の骨

写真:CavanImages/イメージマート

クリスマスを過ぎても私たちはフライドチキンをよく食べますね。そのとき、フライドチキンではなく、味のついていない鳥の身をあげてもらってもいいのですが、 鳥の骨には、注意しましょう。

鳥の骨は、破片が鋭利に尖るので、食道や胃や腸に刺さる危険性があるからです。ひどい場合は、腸閉塞や腹膜炎を起こして、愛犬が命の危険に陥ることもあります。

リンゴ

写真:アフロ

リンゴは、少量なら犬に与えても大丈夫な食材です。

切り方の問題になります。犬の喉の直径より細かくして与えてくださいね。のどに詰まらせる可能性があります。

リンゴは、硬いのですっぽりのどにはまってしまうのです。

犬は、ものを噛まないで飲み込んでしまう傾向があります。口にいれたときに、追いかけたり、怒鳴ったり、口から無理に取り出そうとすると、慌てて飲み込んでしまう可能性がありますので、危険です。

そのような場合は、リンゴよりもっと犬が好物なものを与えて、吐き出せるようにしましょう。

実際に、リンゴを誤飲して命を落とした犬もいます。のどに詰まったとき、犬が前足で、口を触りもがき、そして静かになったな、と思ったら亡くなっていたのです。くれぐれもリンゴを与えるときは、細く縦に長く切るか、みじん切りにしてくださいね。

誤飲事故に遭いやすい犬とは?

誤飲の事故はどの子もあります。それでも、以下の子はリスクが高いので、より気をつけてください。

・シニアの子

人もシニアになれば、誤嚥性肺炎などが増えます。犬もいまや、15年以上生きている子も多くいるので、誤飲しやすいのです。それで、シニアの犬は人のように、よく噛まないので、食べ物の大きさは、10mm以下のサイズのものや流動食のようなものを与えましょう。

・食欲旺盛の子

食べることに興味のない子は、あまり誤飲はしません。しかし、食べることが好きな子は、急いで食べて誤飲することがあります。少しずつ与えるようにしましょう。

・小型犬

やはりのども細いので、大きなサイズのものを与えると詰まりやすいので、大きなものを与えないようにしてください。犬は、人のように咀嚼をあまりしないので、飲み込んで事故になりやすいです。

まとめ

写真:アフロ

お正月は、珍しいごちそうをいただきます。

そんな日なので、少しは愛犬にもおすそ分けしようと、思ってあげると思わぬ展開になるときがあります。

上記のものを与えないことです。お正月といえども、愛犬には、普段通りの食生活がいいですね。目新しいものを食べて、胃腸疾患になると困りますね。お正月は、休んでいる動物病院も多いですので。

年末年始は、愛犬に誤飲などの事故がなく、穏やかな時間を過ごしていただきたいと思っています。それで、愛犬に食べさせてもいいもの、そうじゃないものの知識を持っていただくことは、大切ですね。ゴミの始末もしっかりして、犬が、ゴミ箱を漁らないようにしましょう。飼い主が正しい知識を持っていることで、愛犬を不慮の事故から守ることができます。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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