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流大、サントリー練習中の「制限」と将来のライバルについて語る。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
(写真:中西祐介/アフロスポーツ)

 日本最高峰のラグビートップリーグで3連覇を狙うサントリーは現在、開幕2連勝中も、いずれも2点差での勝利。チャンスでの落球などを悔やんでいる。就任3年目の流大キャプテンは、第2節を翌日に控えた9月6日、東京・サントリー府中グラウンドで現在地を語った。

 1日に愛知・豊田スタジアムでの初戦でおこなわれた第1節では、トヨタ自動車を相手にノーサイド直前の逆転勝利を決めた。

 この時は、春から夏にかけてサントリーの練習に参加した齋藤直人についても私見を述べている。

 以下、単独取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――まず、トヨタ自動車戦。交代時に足を引きずっていましたが、大丈夫でしたか。

「はい。足をつっちゃって、情けないですけど。ただ、あの状況(試合終盤)でも動けていたのは明らかにサントリーだった。そのための練習はしてきています」

――いま、どんなことをしていますか。

「今年は敬介さんからも揺さぶりをかけられたり、制限をかけた状態で練習をしたりしてきました。事前のミーティングで『(実戦練習に臨む2チームのうち)片方のチームはこのサイン使わない』という制限をして、その時点では誰がどちらのメンバーになるかは言われていない。それで、グラウンドに出た時に(メンバーがわかって)選手同士でパッと。10秒くらいしかハドルを組ませてもらえないなか、話して、そのなかですぐに(課されたゲームプランなどを)実行できるかどうかを(見られる)。制限がかけられているなかでどんなオプションを使って状況を打破するか(が問われる)。難しかったですが、勉強になりました。

 トヨタ自動車戦ではキックの使い方、ボールの持ち方といろんなオプションを持ちながらできたのですが、フィニッシュのところでミスが起きたのでかみ合わなかったというところですね。そこに関してはインディビジュアルのミスが多かったです。ボールの動かし方はそこまで悪くなかったですけど、キャッチのところでインディビジュアルの意識、スキルが問題だった」

――サントリーの攻撃時、複数名の選手がゲインラインに駆け込みます。パスの投げ手として、球をさばく方向などはどう決めてゆきますか。

「(相手との)コミュニケーションもありますけど、判断で放ることもある。皆に言っているのは、いつもボールをもらう気でいてということ。サントリーにデコイラン(囮)はない。全員がオプションになるのが鉄則。デコイという感じで走っていたら、それは絶対にビデオでレビューされて、『オプションになってない』と言われる」

――話は変わりますが、齋藤直人選手がサントリーにいた時、流選手もアドバイスを施したようです。

「持っているものが違う。才能もすごくあります。僕もライバルという位置づけなので教えるというより、気づいたことがあれば言ってあげるくらいで。ハーフとしての能力はずば抜けたものがあるので、今後一緒に争っていけたらと思います」

――負けたくない。

「いち選手としての勝負はありますけど、経験したことを出さない、教えない、隠すといったことをせずにやっていきたいです。いままで日和佐(篤、元サントリー)さんとかふみさん(日本代表の田中史朗)には、ライバルでありながら色々と教えてもらってきた。同じようにしていこうと思っています」

 サントリーは14日、東京・秩父宮ラグビー場で神戸製鋼とぶつかる。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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