安倍首相がLinkedInで情報発信 - 「誰が」が重要なソーシャルで世界に声が届くか?
7月1日より、安倍晋三首相が、プロフェッショナル向けSNSのLinkedInで情報発信をスタートしました。LinkedInは世界で2億人以上が利用するビジネス志向のSNSで、この「インフルエンサープログラム」の一環として参加することになりました。
安倍首相の最初の記事は、「Japan's New Growth Strategy: Bringing Rapid Reform To the Country」と題して、経済の修復と新しい成長戦略に関して持論を英語で述べています。既に英語での情報発信をスタートしている楽天CEOの三木谷浩史氏に加えて、グロービス代表の堀義人氏、マネックスグループCEOの松本大氏が、同様に英語で世界のプロフェッショナルに向けて、情報を発信しています。
このプログラムには、既に米国大統領のバラック・オバマ氏、英国首相のデービッド・キャメロン氏といった首脳から、ビル・ゲイツ氏、ジャック・ウェルチ氏、リチャード・ブランソン氏といったビジネスリーダーが参加しており、日本のリーダーが英語で、世界のリーダーとともに情報を発信するという文脈が生まれています。
「誰が」が重要なソーシャル
2012年1月に、「LinkedInスタートブック」という書籍を出版しました。LinkedInの使い方から、どのようにキャリアをとらえていけば良いのかを論じた1冊です。
プロフェッショナル向けのネットワーキングのツールですが、LinkedInの活用方についての変質についてとらえて、「日々の仕事につながる重要なニュースが分かる」という特徴を挙げました。
LinkedInにはFacebookのようにリンクをシェアする機能が搭載されていますが、Facebookと違うのは、どんな会社のどんなポジションの人が、どんな情報に興味を持っているかという、非常に高いコンテクストの「シェア」が行われている点です。
FacebookやTwitterのシェアは、相対としての人の興味を表すことができますが、LinkedInでのシェアは例えば金融の人たちの興味、クラウドビジネスに携わる人たちの興味、というプロファイルで着ることが出来、また「誰が」シェアしたのか、という顕名性に載って情報が流れてくる点で、ニュースの価値付けが行われます。
そうした情報流通の文脈の中に、政治やビジネスのリーダーが情報発信をすることは、オープンなブログでの共有とは違った価値を帯びてくると考えています。リアルな世界でも、「誰が」「何を」発言したのかが重要ですが、LinkedInでの情報発信は、発言のパワーを可視化できる状態に変えてくれるのではないか、と見ています。
日本のリーダーが、こうしたツールを上手く活用できるかどうかは分かりませんが、ぜひ世界に向けた「大きな声」を獲得してほしい、と思っています。