【北海道帯広市】晩成社の貴重な史料が一度に見られる企画展は9月19日まで!
帯広百年記念館で1ヶ月以上のロングラン実施中、特別企画展「晩成社展」にようやく行けましたのでレポートです。
場所は2階の特別展示室。入場無料です。
晩成社や開拓の祖・依田勉三については十勝民なら小学校4年生からみっちり教えられるので、「開墾の はじめは豚とひとつ鍋」という有名な句やマルセイバターサンドのパッケージなど、今に続く十勝開拓の象徴がすぐに浮かびますよね。数々の貴重な史料を一度に見ながら晩成社をさらに深く知ることができる大変貴重な展示なんです。
意外だったのは来場者層。高齢者が多いかと思いきや、この日は若い層も次々と見られました。
展示物の撮影は本人の私的利用であればすべてOKとのこと。
展示順路の前半では渡辺勝、鈴木銃太郎といった晩成社を取り巻く重要人物の功績や、農地の開拓後も自社の土地として所有する許可がなかなか下りなかったなど、苦労の連続が読み取れます。開拓の困難はよく聞く「バッタの襲来」だけではなかったんですね。
へえ〜ここがかつて晩成社があったところか・・・・
・・え!?ここうちの自宅近辺じゃないか!!
電信通と国道38号が交差するところに「帯広発祥の地碑」があり、国道を渡った「発祥の地公園」あたりに住んでおります。なにが発祥なのか具体的に知らなかったのですが、なんと晩成社がうちの近所にあったんですね。一気に親近感が涌きます。
農地を拡大した次に、晩成社は様々な事業を展開します。工場での生産加工・流通など。有名なのはこの「バターの製造販売」ですよね。NHK朝ドラ「なつぞら」でもこの道具でバターを作るシーンがありました。
全国で知られる晩成社の象徴といえばこれ。マルセイバターサンドのモデルになったラベルです。
そんな晩成社ですが、事業は次々と困難に見舞われ縮小、1932年にはとうとう会社は解散となります。
「開拓の先駆者でありながら、最後は何も残らなかった失敗の象徴」というイメージを持つ十勝民も少なくないでしょう。
実際は次の世代に何かを残したのか?展示の終盤には依田勉三亡き後に史実を分析してそれぞれの見解を残した研究者の史料もありました。
熱心に展示を読み込み、滞在時間が長い来場者が多いというこの企画展。学芸員さんたちの熱い想いが込められています。敢えて写真掲載は最小限にしましたので、あとはぜひとも会場で十勝の開拓史に思いを馳せてください!
期間:9月19日(月・祝)まで 入場無料
住所:帯広市緑ヶ丘2 帯広百年記念館 特別展示室
電話番号:0155-24-5352
営業時間:9:00〜17:00(最終入場16:30)
駐車場:あり