矢部美穂さん、騎手の妻に 結婚発表翌日の浦和8レース、母に託した愛馬に夫・山林堂騎手が騎乗
タレントの矢部美穂さんが川崎競馬所属の山林堂信彦騎手との結婚を発表した。矢部美穂さんは普段から熱心に競馬場に通うほどの競馬好きで、地方競馬で馬主免許を取得。2019年から、のべ十数頭を所有し、競馬を楽しんでいた。
お二人の出会いはブースターという川崎で9連勝した馬を通じてのことだった。
「ブースターは2019年秋から私の馬になりました。私としてはそれまで乗っていた山林堂騎手ではなく、違う騎手に依頼したかった。でも、エージェントの方に山林堂騎手はあまり知られていないけどレース、調教を見ているともっと上の成績でもおかしくない騎手だからそのまま乗ってもらったほうがいい、と説得されて続投をお願いしたんです。」(矢部さん)
その後、山林堂騎手によってブースターは2020年1月に勝利。2020年5月に引退するまで、ずっと手綱を託し続けた。
そして、2020年7月デビューのディーレクタにも山林堂騎手に騎乗を依頼するが、このディーレクタを通じて二人の運命は大きく変わっていく。
「ブースターが走っているときは"馬主と騎手"というだけの関係でした。でも、ディーレクタをお願いしていく中で、彼の仕事に対する真摯な向き合い方や人間性を知り、自然と彼に惹かれていきました。」
ディーレクタはリーチザクラウン産駒の牝馬だが、とても気難しい馬だ。ディーレクタを管理する村田順一調教師にお話を伺った。
「ディーレクタはとても我が強いんです。テンションが上がってしまうと、無駄に力を使ってしまい競馬に集中できないんです。しかし、山林堂騎手は気難しい馬を乗りこなすのが上手で怯まずに対応してくれるんです。」
そのディーレクタは5月31日、浦和競馬8レースに出走する。鞍上はもちろん山林堂騎手だ。
「前走はレース中に大きくつまずき競走を中止しましたが、幸い前走のレース後の影響はありません。浦和は初コースなので、馬場を気にせず走って欲しいですね。能力がないわけではないですから」(村田師)
なお、矢部美穂さんは騎手の妻になるあたり、"地方競馬に関係する調教師等の厩舎関係者"は馬主になれない、という競馬法施行規則及び地方競馬全国協会の規定に従い、馬主免許を返上した。愛馬・ディーレクタは母の矢部文子さんに譲っている。
「立場は変わりますが、人馬を応援する気持ちは変わりません。
山林堂の馬乗りはホント凄いんですよ!上手いんです。過去に騎手を辞めようとしたことがあったのですが多くの方々から引き留められたほどなんです。そして、馬への愛も凄い!さらに言うと、私はそんな彼を応援するのがすごく楽しいです。
今日のレースは1400mというのが心配ですけど、まずは人馬ともに頑張って欲しいし、納得いくレースをして欲しいな、と思います。」
矢部美穂さんは自分の価値観を貫き、とても一生懸命頑張る方だと感じる。興味を持ったことに積極的に取り組む方なので、ご主人の新たな魅力を引き出してくれるのではないだろうか。とても楽しみだ。