【京都市山科区】え? 山科で市バスが走ってる! 夜にしか走らない変わり種過ぎるバスを調べてみました
みなさま、山科区内で市バスが走っているのはご存じでしょうか? 「山科区内で運行しているのは京阪バスだけでしょ? ほかのバス会社のバス停もないし」と思われがちなのですが、実はそうではありません。
昭和の時代には京都市内全域を市バスが運行していたのですが、赤字路線の廃止や地下鉄の開通でバス路線は統廃合され、山科区内の市バス路線も京阪バスに移管され、1997年10月に京都市内では唯一市バスが走っていない行政区になりました。そのため、京都市の敬老乗車証で山科区内であれば京阪バスに乗車できますし、山科循環系統の「くるり山科」も京阪バスが運行しています。
そのため、「山科には京阪バスしか走っていない」(年1回の運行している近江鉄道バスは除く)と思っていたのですが、なんと定期的に市バスが走っていることが判明しました。
「特80系統」と言う市バスで、河原町三条を出発して山科団地を通り、国道東野が終点の路線です。終点と言っても国道東野からは河原町三条まで帰るため、実質的には折り返し運転になっています。山科区は地下鉄東西線の開通で1997年10月に市バスが撤退したのですが、2021年12月に24年ぶりの市バス路線として復活していました。
しかし、こちらの路線はかなり特殊で、「河原町三条→四条河原町→川田道(降車専用)→山科西野(降車専用)→山科団地(降車専用)→国道東野→四条河原町→河原町三条」と山科区内ではほぼ降車のみです。降車専用のバス停には、降車専用の旨が書かれていて時刻表がありません。
ほぼ同じような路線が京阪バスにあるのに、なぜ復活したのか調べてみたところ、コロナによる乗客減による京阪バスが減便となり、地元の要望と国の「運輸防災マネジメント指針」に基づく「地下鉄東西線の被災時の代替交通確保」ということでした。
21時13分頃に川田道に到着したバスを撮影したのですが、降車した方が5・6名いらっしゃり、この時間としては乗車している方が多いなとの印象を受けました。
2023年4月現在、特80系統は河原町三条発19時27分と20時57分の1日2便しかないので、見かける機会は少ないですが、河原町三条を出発して22分で国道東野に到着する計算になっていますので、興味のある方は時間を合わせて見に行ってくださいね。