【京都市右京区】京の西端松尾橋周辺で見つけた静かな住宅街で11年続く隠れ家カフェで美味い朝食やランチ
京都の四条通を西へ向かって突き当たると松尾大社に至ります。その手前の橋が松尾橋で、堤防を罧原堤といいます。松尾橋から嵐山・渡月橋までの罧原堤沿いはこれから桜の季節が美しいスポットです。2024年3月5日に周辺を散策してみました。
さて、その罧原堤の一つ東の通りにある内田病院を入ったところのもの静かな住宅街で可愛いキャッチ―な看板とのぼりが目に飛び込んできました。「Emas Cafe Suun」に入ってみることに。店内に入ると、タイのBGMが流れる中、バリ島のランプが吊り下げられていたり、アジアンテイストな雰囲気です。
モーニング時間帯のブリトーセットを注文しました。ブリトーは、主にアメリカ南西部やメキシコで食べられているトルティーヤに具材を巻いた料理ですが、こちらのブリトーは、ハムやチーズをチジミ風に包み込んだオリジナル。柔らかい生地からとろりチーズが飛び出て美味しかったです。
ホット珈琲が美味しいので聞いてみると、京都の名店「小川珈琲」にブレンドしてもらっているとのことで納得です。有機イルガチェフモガやブラジルカンダガロなどの珍しい豆からマシュマロコーヒーや葡萄酒ジュースなども。
ランチタイムには、国際色豊かなハンバーグやカレーのメニューがずらり。あっさりしているようで濃厚なスープとよく合うご飯を卵で包んだ「ベネチアンライス」は海に浮かぶゴンドラをイメージして作られました。ロコモコなども人気メニューです。
飲食業に長い間従事した店主のTomohiro Emaさんが定年になったら始めたいと思っていたカフェを、家を建てたと同時に開業を決意し前倒し、お子さんもいるので現在は平日だけの営業となっています。この3月3日で開業11年を迎えた「Emas.Cafe.Suun」はタイ語でゼロ。ゼロから商売を始める決意が込められています。
タイのシェフ直伝のグリーンカレーも人気です。入り口に置かれているたくさんの駄菓子や絵本などは。地域の子供たちがくるようになってやめられなくなったんだそうで、今ではご近所さんや地域の人々に愛される素敵な店として評判です!
ちなみに「罧原」とは、「ふしづけ」ともいい、魚類が藻や流木、石陰や水底の樹木などの暗い所に好んで集まる習性を利用して、柴やそだ(粗朶)を使って人工的に敷設し、その中に入った魚を捕らえる仕掛けです。桂川では、かつて、天皇に貢上する贄(にえ)の漁として鵜飼も行われていました。
獲れた鮎は「献上鮎」として宮内省に納められ、この地域の人々は、供御人(くごにん)として、鮎の献上の見返りとして京内での鮎の販売を許されていました。一家の男性が鵜飼として捕った鮎を、女性は頭に鮎を泳がせた桶を載せて、京内に売りに出たのです。その独特の風俗が後世までも愛され、「桂女(かつらめ)」とよばれています。
太古からの歴史ロマンと風情のある松尾山の麓にぜひお立ちよりください!
「Emas Cafe Suun」(外部リンク)京都市右京区梅津尻溝町8−31 075-432-8982