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オホーツク海に巨大渦が出現

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
3月4日正午、気象衛星ひまわりが捉えた北海道の様子(ウェザーマップ作画)

 オホーツク海に巨大な渦が出現。ゆっくり回転する海流によって、流氷が模様を描いたもので、流氷渦と呼ばれる。紋別沖の流氷渦は直径30キロくらいあり、宇宙からもその姿を捉えることができる。 

流氷面積は東京都の500倍

 タイトル画像は4日(木)正午、気象衛星ひまわりが捉えた北海道の様子です。粉砂糖のように見えるのが大地に積もった雪です。そして、オホーツク海に目を向けると、流氷が見えます。流氷面積が最も大きくなるのは3月上旬で、今年は平年並みの100万平方キロメートルに達しています。これは東京都の500倍の広さです。

紋別沖に流氷渦

 よくみると、墨絵のような渦巻きがあちらこちらに見えます。ゆっくり回転する海流によって、流氷が模様を描いたもので、流氷渦と呼ばれます。冬から春にかけての流氷の季節だけにみられる現象です。

紋別沖に出現した巨大な渦(2021年3月4日正午、ウェザーマップ作画)
紋別沖に出現した巨大な渦(2021年3月4日正午、ウェザーマップ作画)

 4日、紋別沖に出現した流氷渦(赤破線で囲んだ部分)は直径30キロ程度の大きさがあるようです。紋別市によると、この冬は1月20日に流氷初日となり、26日には平年より11日早く流氷接岸初日となりました。今が流氷シーズンの最盛期です。

消える流氷は食卓にも影響

 オホーツク海の流氷は世界で最も南で見られる海氷として知られ、とても貴重なものです。流氷は増減を繰り返しながら、長期的にみると10年間で約7パーセントの割合で減少しています。昨シーズン(2020年)の流氷は平年を下回り、釧路では3年連続で流氷が観測されませんでした。

 温暖化との関係は明らかではありませんが、流氷が運ぶプランクトンにより、オホーツク海は豊かな漁場となっています。流氷が少なくなると、観光業だけでなく、私たちの食卓にも影響が出てくるかもしれません。

【参考資料】

東京大学海洋アライアンス連携研究機構:知って楽しい海の話、流氷が描く渦模様

気象庁:海氷に関する診断表、予報、データ

北海道立オホーツク流氷科学センター

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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