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今期C級1組5連勝中の藤井聡太七段(17)はB級2組に昇級できるか?

松本博文将棋ライター
(記事中の表作成:筆者)

 10月15日、関西将棋会館でおこなわれたC級1組順位戦5回戦▲藤井聡太七段(17)-△宮本広志五段(33)戦は22時20分、101手で藤井七段の勝ちとなりました。藤井七段はこれで5戦全勝。宮本五段は2勝3敗となりました。

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藤井聡太七段(17)、宮本広志五段(33)の四間飛車を迎え撃つ C級1組順位戦5回戦

 中盤、本格的な戦いが始まって、藤井七段は角銀交換の駒得という成果を得ました。対して宮本五段は先に藤井陣に迫る形を作ります。藤井七段は反撃を急がず、自陣に手厚く駒を埋めて対応しました。少しでも受け間違えれば、たちまちピンチを迎えそうなところで、藤井七段は誤りません。いつしか形勢は、藤井七段の方へと傾いていました。最後、詰む、詰まないに至る前の段階ながら、形勢がはっきりしたところで、宮本五段は投了しました。

 藤井七段はこれで今期C級1組5連勝。他には佐々木勇気七段(25)、石井健太郎五段(27)も5連勝です。両者ともに藤井七段との直接対決はありません。

 藤井七段は次戦(11月5日)で4勝1敗の青嶋未来五段(24)と対戦します。昇級候補同士の大きな一番となりそうです。

 藤井七段の順位戦の通算勝数は24勝1敗となりました。昨年度はその唯一の1敗が響いて昇級できませんでした。今期はどうなるでしょうか。

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将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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