『柴山明子+外山文彦展』有名ホテルに採用されたシリーズほか多彩なアートを展示10/14まで【高崎市】
観音山丘陵に在るギャラリー空華で10月1日から「柴山明子+外山文彦 展」が始まりました!
ギャラリーのオーナー本田智子さんが「ギャラリーとして設計して建築した住宅」と表現する空華では、一般住宅と同様に玄関でドアホンを鳴らします。
ハードル高めですが、本田さんが優しい笑顔で迎えてくださいますよ。
「柴山明子+外山文彦 展」10月1日~14日
『柴山明子+外山文彦 展』
前橋市出身の画家・柴山明子と新潟県長岡市出身の現代美術作家・外山文彦による展覧会です。
柴山は、2010年頃より東京都内を中心に個展等での展示活動を始め、初期は墨を使った作品が主でしたが次第に表現の幅を広げ、現在は自由に画材や技法を使い、アクリル絵具での絵画やコラージュなどもおこなっています。
外山は、ふだんはインスタレーションなど空間を使う作品も多いのですが、今回は「絵画」であることにこだわっての制作です。
表現へのアプローチや手法がそれぞれ異なる2人の絵画作品をお楽しみいただけます。
会場はロフト風の2階もある2階建てギャラリー。主に1階は外山文彦の作品、2階を柴山明子の作品で彩ります。
(解説:外山文彦さん)
柴山明子さんの作品が28点、外山文彦さんの作品24点(1点の組作品を含む)の見応えある展覧会となっています。
◆ 外山文彦(TOYAMA,Fumihiko)
ギャラリーに入ってまず正面の壁に展示されているのは「CANVASシリーズ」です。
「CANVASシリーズ」は、ロイヤルパークホテル汐留タワーのDXルームの装飾にも採用されていました。(※現在の ザ ロイヤルパークホテル アイコニック 東京汐留)
「CANVASシリーズ」は今回4点の展示となりますが、市販されているキャンヴァスの“裏側”を敢えて使うという作品です。
油彩画でよく使われるキャンヴァスは、麻の織り方等々で各種あり、メーカーや生産国によってもまた違います。
そうした差異に魅かれたこと、麻の素材感、表と裏の関係性の面白さから、本来メインたる表側は使わない「キャンヴァスの“裏”を地のままの素材感と共に一部シンプルに着彩して構成」する作品にとなりました。
素材が自ずともつ色やテクスチュアをそのままに生かした絵画表現だとも言えます。
(解説:外山文彦さん)
1階の展示室には、色彩豊かな「series of print works」シリーズが展示されています。
外山さんが試行錯誤を重ねて生み出したオリジナル手法で作られた美しいアートを、ぜひ近くでゆっくりご覧いただきたいと思います。
series of print worksとは通常「版画」と解されますが、いわゆる木版画や銅版画、リトグラフなどと様相はいくぶん異なり、printはprintでもインクジェットプリンターを使っています。
和紙にインクジェットで刷り、アクリル系塗料を加味して仕上げたミクストメディア(混合技法)の作品です。
どこにでもあり誰でも手軽にプリント可能なインクジェットプリンターは、便利で特に意識することなく使えますが、あるとき、人が意識せずつまり「見えない」ところに意外な面白さを見出すという現代美術的な視点で興味を覚えたことがあり、インクジェットで「刷る」というそのものを追求してみたいと考えました。
その点で紙と発色の関係を追ったり、木版画のように多版化を試みたり、色の深みを増すため重ねて刷る等、重ねた試行錯誤があります。
(解説:外山文彦さん)
「Lines/Landscape」は、深い青の色彩の中に作者的には、下から上に流れる光のようなイメージが元にありますが、あまりとらわれずに自由に見ていただけたらと思います。
(解説:外山文彦さん)
「大地の芸術祭2022』(越後妻有地域) の開幕に合わせて開催された展覧会『巳巳展×外山文彦展』で古い日本家屋で展示された作品が、ギャラリー空華ではまったく違う見せ方になっているのも興味深いです。
(外山さんのBlog「アート日和 from Niigata -アトリエZen-」参照)
◆ 柴山明子(Shibayama, Akiko)
ロフト風の2階の展示は、柴山明子さんの作品です。
「記憶の世界を柔かなタッチでビジュアル化し表現を展開」している柴山明子さん。
柴山さんが墨で表現する黒は、圧迫感がなく心地良い印象です。
コラージュ作品は、見るたびに新しい発見があったり、見る時の気持ちで感じ方が変わったりする愉しさを味わえそうです。
作品「記憶をたどる旅」は私自身の故郷での記憶を直接的なモチーフを使わずにコラージュした作品です。
群馬の山並みなど、目をつぶると流れるように浮かぶ思い出を丁寧にいとおしみながら制作しました。
空華での展示をなにより楽しみにしていた父が先日亡くなり 父の生まれ育った高崎を見下ろすこの場所で展示することは、またひとつ大事な私の思いの詰まった記憶の旅になりました。
(解説:柴山明子さん)
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「柴山明子+外山文彦 展」オープン準備完了時のひとコマです。
外山さんと柴山さんは、とても気さくな作家さんでした。
作家在廊日は作品にまつわるお話や技術的なことなどを直接聞けるチャンスです!
きっと和やかで楽しいひと時を過ごせますよ。
そのほかの日は、静かなギャラリーでアートをゆっくり味わい、窓外に広がる観音山丘陵の緑に癒されてください。
今後の作家在廊 予定日時
● 柴山明子
7日(土)、8日(日)
※午後1時頃~5時頃
● 外山文彦
8日(日) 、14日(土)
※午後1時頃~
※ 2作家とも遠方から向かいます。当日の交通のアクシデントや、不慮の出来事等で万一予定が変わった際はご容赦ください。
問い合わせはギャラリー宛にお願いします。
ギャラリー空華の場所については以下の記事を参考にしてお出掛けください!
GoogleMapでの位置情報がずれていたのは修正済。現在は「名前で検索」ならOKです。
※作品画像は参考程度にご覧ください