Yahoo!ニュース

【AHL】プレーオフの試合中にリンクのド真ん中で整氷車が突然ストップ !! 一体何が起こったのか?

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
試合中のインターミッションに登場する整氷車(photo Jiro Kato)

NHLのチャンピオンを決める「スタンレーカップファイナル」は、連覇を目指すピッツバーグペンギンズが、ナッシュビルプレデターズ相手に、2連勝スタート!

一方、NHLの一つ下のリーグに相当するAHLでも、チャンピオンを決める「カルダーカップファイナル」が始まっています。

▼AHLのプレーオフも16チームで争われる

AHLのプレーオフも、NHLと同様に、東西両カンファレンスの上位8チームずつ、合わせて16チームで争われ、4つのラウンド(1stラウンドのみ5回戦制、2ndラウンド以降はNHLと同じ7回戦制)を勝ち抜いたチームが、王者の証・カルダーカップを手にすることができます。

NHLに続いてAHLのプレーオフも佳境を迎え、東西両カンファレンスを勝ち上がった2チームが王座を懸けて激突! 今季のカルダーカップファイナルは、

「グランドラピッズ グリフィンズ vs シラキュース クランチ」

という4季前のリターンマッチとなりました。

▼注目は4季前のチャンピオン・グランドラピッズ

注目されるのは、ウエスタンカンファレンスを制したグランドラピッズ

4季前のカルダーカップファイナルでは、シラキュースに勝利しただけに注目されます、、、とは言うものの、当時のチームとは顔ぶれが一変。

4季前の優勝時にヘッドコーチ(HC)を務めていたジェフ・ブラシルは、NHLのアフリエイトチームであるデトロイトレッドウングスのHCに就任。

アシスタントコーチのジム・パクも、ピョンチャン(平昌)オリンピックに出場する韓国男子代表のHCとなり、また多くの若手選手も、デトロイトに昇格してNHLでプレーをしています。

それだけに、4季前の優勝経験者は数えるほどになってしまったグランドラピッズですが、プレーオフに入ってからの黒星は「3つだけ」。しかも、ホームゲームでは「7戦全勝」という無類の強さを誇っています。

▼整氷時間もファンサービスに

このような経緯があるだけに、プレーオフの戦いが進むにつれて、ファンの盛り上がりもアップしているようですが、カンファレンス ファイナル最後の試合(第5戦)となった先月27日のホームゲームで、思わぬハプニングが起こりました。

アイスホッケーの試合は、20分間(アディショナルタイムを含まず)のピリオドを3回戦い、両チームの合計得点によって勝敗を決めますが、1つのピリオドを終えると、インターミッションに入り、整氷やファンサービスなどを実施。

AHLをはじめ北米のプロやジュニアリーグでは、整氷車にも観客を同乗させて、ファンサービスに利用するアリーナが多く見られ、グランドラピッズのホームアリーナも同様のファンサービスを行っています。

▼リンクのド真ん中で整氷車が突然ストップ !!

前述した先月27日の試合のインターミッションでは、整氷車のドライバーを担当しているアリーナスタッフのケーシー氏が、5年前から同じアリーナで働いている同僚のアシュリーさんを助手席に招待。

上の写真のように、職場の同僚のアシュリーさんを楽しませてあげようとしたのですが、ナント! リンクのド真ん中で整氷車が急停車しました!!

一体、何が起こったのかと言うと、、、

9000人近い観客が見つめる中、リンクのド真ん中で、プロポーズをしたのです !!!

このプロポーズを、アシュリーさんも受け入れたとのこと。

ケーシー氏のうれしさがチームのエネルギーになったのか、グランドラピッズは昨夜のカルダーカップファイナル第1戦で、3-2のスコアで先勝。4季ぶりの優勝へ幸先の良いスタートを切りました。

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

加藤じろうの最近の記事