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自民党内では、政治の次の段階に向けた動きが始まった#専門家のまとめ

鈴木崇弘政策研究者、PHP総研特任フェロー
状況の深刻化の中、菅前首相の対応に象徴される政治の次の段階への動きが始まった(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

政治および自民党内の混迷が収まらない。それは、岸田首相の無責任かつ表面的な対応が続いているからだ。そのため、内閣および自民党への支持は継続的に低下してきている。ここにおいて、新たな動きがでてきた。

ココがポイント

▼自民党内で、岸田首相おろしの動きが公然化、活発化

「国会閉会後さっそく「岸田降ろし」 内輪もめで自民離れの懸念、苦言も」(産経新聞)

▼政治の現状において、影響力ある菅前首相が遂に動き出した

岸田首相に国民が不信感、自民総裁選で政治の刷新をー菅前首相(ブルームバーグ)

▼岸田首相の対応の稚拙さ等に、影響力のある菅氏の対応が批判的になってきている

総裁選に複数候補出馬を 首相交代に期待にじませる 自民・菅氏(時事通信)

▼岸田総理の裏金問題への対応の国民への不満や反発は更に厳しくなっている

岸田内閣支持率17%、30%割れは12カ月連続 毎日新聞世論調査(毎日新聞)

エキスパートの補足・見解

現在の政治においては、党内外に有効かつ強力な政敵やキングメーカーが存在しない。このために、岸田首相は、言葉のレトリックは別として、政策、特に裏金問題等において抜本的な対応をとろうとしていない。国民は、そのことを見透かしている。それが、内閣や自民党への支持率低下に明確に表れ、「政権交代」が起きてもおかしくない状況が生まれてきており、政治が益々混迷化してきている、その状況を変化させ打開すべく、党内にいまだ影響力があり、数少ない「キングメーカー」的な役割をある程度果たせる菅前首相をはじめとする議員たちが、岸田総理への批判を強め、動き出した。今後自民党内では、政治が更に流動的になり、次の段階に踏み込んでいくことだろう。

政策研究者、PHP総研特任フェロー

東京大学法学部卒。マラヤ大学、米国EWC奨学生として同センター・ハワイ大学大学院等留学。日本財団等を経て東京財団設立参画し同研究事業部長、大阪大学特任教授・阪大FRC副機構長、自民党系「シンクタンク2005・日本」設立参画し同理事・事務局長、米アーバン・インスティテュート兼任研究員、中央大学客員教授、国会事故調情報統括、厚生労働省総合政策参与、城西国際大学大学院研究科長・教授、沖縄科学技術大学院大学(OIST)客員研究員等を経て現職。経済安全保障経営センター研究主幹等兼任。大阪駅北地区国際コンセプトコンペ優秀賞受賞。著書やメディア出演多数。最新著は『沖縄科学技術大学院大学は東大を超えたのか』

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