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【現地ルポ・香港プロテスト】市民からの支援物資はクラウドで管理されている

堀潤ジャーナリスト
10月1日国慶節の日に香港ではデモ参加者が増加。支援物資もかなり寄せられている。

8bitNewsのジャーナリスト蜂谷翔子が抗議デモが続く香港で学生らと共に野宿しながら現地取材を続けている。

蜂谷翔子(8bitNews)
蜂谷翔子(8bitNews)

行政長官選挙改革で中国の体制に批判的な民主派が事実上立候補できなくなるとして、「香港での民主主義を守る闘いだ」と声をあげる参加者達が続々と終結し座り込みを開始。香港政府トップである行政長官の辞任を求める学生団体と当局側との対立がさらに深まる懸念もある。

これまで当局側は催涙ガスなどを使ってデモの鎮圧をはかってきたが、抗議行動とそれを取り締まる当局側との攻防がさらにエスカレートすると「第二の天安門事件」のような深刻な事態が発生しかねないとして、欧米をはじめとした海外メディアからの注目も高まっている。

デモ参加者達は、当局側とどのように向き合っているのか。8bitNewsの蜂谷翔子が現地からシリーズでリポートする。

■「平和的なプロテスト」を実感

10月1日の午前中に香港国際空港に到着。香港市内に電車で出て、地図を見ていると、現地の男性が「プロテストをやっていること知ってる?とても平和的にやっていて、ここからなら歩いていくことができる」と道を教えてくれた。プロテストをサポートしているか聞くと、「僕はこうして観光客とかに道案内をすることで自分なりにサポートしているんだ」と彼は言った。

学生達の秩序ある行動が印象に残ったという
学生達の秩序ある行動が印象に残ったという

プロテストのサイトの1つでメインのエリアとなっているAdmirality付近に近づくと、バリケードによって道が封鎖され、普段は車の通っている大きな道路が歩行者天国のようになっている。そして傘を差して歩いている人々がいる。

ゴミ拾いや分別やリサイクルをする学生達の姿が見え始め、このプロテストのシンボルとなっている傘や飲み物や食べ物、ペッパースプレーから身を守る為のサランラップ、学生達へのサポートを示す黄色いリボンなどが無料で配られていた。

■支援物資はクラウドで管理

香港の市民からサポートとして送られてくる物資の需要と供給の状態は、Fire ChatやGoogle Dockを使って管理されている。物資を積んだトラックがプロテストサイトに姿を現すと人々は歓声を上げる。お互いをケアしあいサポートする体制がしっかりとつくられている。

道にはゴミ一つ落ちていない状態で、橋の上から大きな透明のプラスチックバッグを地面に向けて垂らし、その中に空のペットボトルを入れてゆくなど、自分たちの清掃活動のディスプレイの仕方にもセンスがあり、多くの人々が写真を撮っていた。

支援物資はGoogle Driveなどを使って管理され配分されているという
支援物資はGoogle Driveなどを使って管理され配分されているという

夕方になると、人の数が目に見えて増えてきた。大衆のざわめきや声、シュプレヒコールもより大きく響き始めている。多くのプロテスター達は、プロテストの為の場所を警察に奪われないために、夜も占拠し続ける。友人とシフトを組んだりして、常に誰かが占拠しているという状態をつくっている。祝日を迎え、多くの人々の参加が予想されている。皮肉にも10月1日は中国の65周年のナショナルホリデー。何と言っても学生の姿が一番多いが、現在プロテストサイトは家族連れなども含め、あらゆる年齢層の人々で溢れていて、人種的にもバラエティーがある。

現在高層ビルに西に傾き始めた太陽が反射している。香港のプロテストはこれから夜の部につづく。

ジャーナリスト

NPO法人8bitNews代表理事/株式会社GARDEN代表。2001年NHK入局。「ニュースウォッチ9」リポーター、「Bizスポ」キャスター。2012年、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校で客員研究員。2013年、NHKを退局しNPO法人「8bitNews」代表に。2021年、株式会社「わたしをことばにする研究所」設立。現在、TOKYO MX「堀潤LIVE Junction」キャスター、ABEMA「AbemaPrime」コメンテーター。2019年4月より早稲田大学グローバル科学知融合研究所招聘研究員。2020年3月映画「わたしは分断を許さない」公開。

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