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プレー時間ゼロ。移籍を希望するスターはクリッパーズ入り?

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 フィラデルフィア・セブンティシクサーズからのトレードを切望していたジェームズ・ハーデンだが、開幕後もコートに立っていない。ここ数時間で、ロスアンジェルス・クリッパーズ入りという情報が飛び交っている。

 この夏、筆者は他のスポーツの会場で彼の姿を2度見掛けた。一度目は、7月29日にラスベガスで催されたWBA/WBC/IBF/WBO統一ウエルター級タイトルマッチで、テレンス・クロフォードがエロール・スペンス・ジュニアを下した一戦のアリーナで。

 リングサイドにいたハーデンは、勝者となったクロフォードが、一階級上の4冠チャンプ、ジャーメル・チャーロを挑発する様を目に「お前ら、同じクラスか?」と呑気に質問していた。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 2度目は9月3日。ハーデンはMLSの舞台も観戦に来ていた。リオネル・メッシが、AWAYゲームでカリフォルニア州ロスアンジェルスにあるBMOスタディアムに遠征した折、VIPルームで戦況を見詰めていた。

 その後、ハーデンはシクサーズのトレーニングキャンプに形だけ参加したが、プレシーズンマッチ前に練習を欠席し始め、エキシビションゲームには出場しなかった。

 開幕戦の舞台となったミルウォーキーへ、チーム・チャーター機で移動する意思は見せたものの、シクサーズに断られた。シクサーズは、ハーデンが長期間チーム練習から離れていたため、試合前に強化トレーニングをさせたいとの声明を出したが、真意は伝わってこない。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 ハーデンという選手は、これまでにも所属チームとぶつかってきた過去がある。

米メディアには「ハーデンがシクサーズを相手に訴訟を起こす際、彼はトリプルダブルチーズバーガーを落としたばかりのような格好で法廷に立つのだろうか? あるいは、努力しない態度を示し続けるのだろうか?それがヒューストン・ロケッツ時代の彼の戦略だった。また、ブルックリン・ネッツでやったように、ハムストリングの怪我で、欠場してしまうのだろうか?」等と書かれていた。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 更に、ハーデンの受け入れ先として、ロスアンジェルス・クリッパーズ、同レイカーズを挙げた老舗媒体もあった。

 確かに、今季も苦しむことが予想されるレイカーズにハーデンが加入すれば、"KING"レブロン・ジェームズの負担は軽減するだろう。だが、両者が衝突してしまう可能性もある。

 1989年8月26日生まれのハーデンは34歳。果たして、どのような道を歩むのか。LA生まれなだけに、レイカーズのユニフォーム姿を見てみたい気もしたが……。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 クリッパーズ入りが本決まりなら、再起を期待したい。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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