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[2024年版]現役本部役員が教えるPTA役員を穏便に断る方法3選

ton子育て情報ライター/姉妹ママ
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皆さん、こんにちは。小学生姉妹のママで、ライターのtonです。年度が変わるこの時期に、ママたちの話題に挙がるのが、「来年度のPTA役員に選ばれないかどうか」。やりたくない人同士の押し付け合いや、抽選で選ばれてイヤイヤ引き受ける…など、ネガティブなイメージが強い「役員決め」。どうにかして役員を断りたい!と考えるパパママは少なくないでしょう。

そんな気持ちの表れか、私が昨年書いた記事「PTA役員になりたくない!」この断り方、NGかも。お薦めの断り方を現役PTA役員が教えます。を今でも、たくさんの方が読んでくださっています。しかし、先日ふと読み返してみたところ、「これはマズイ…!」となるポイントが見つかりました。そこで、2024年版として最新の「断り方」を本記事に記そうと思います。

上述の記事の内容と一部重複する内容があります。すでにそちらの記事を読まれた方は予めご了承ください。

2023年からのPTA事情変遷

まず抑えておきたいのが、昨年から今年にかけて、PTAを取り巻く環境がどう変わったのか、という点です。これ以降の項は、以下の変更点を踏まえて書いていくので、さらっと読んでなんとなくでもご理解いただくとわかりやすくなるかもしれません。

上部団体からの脱退

各学校のPTAには、他の学校のPTAや上部団体とのつながりがある場合がほとんどです。上部団体とは、市や県などのPTA連合会などと呼ばれる組織なのですが、近年、こういった「縦のつながり」を見直し、脱退を決めるPTAが増えてきています。コロナ以後のPTA役員の負担軽減の動きから、頻繁な会合や、講演会などの上部団体主催行事への出席者確保が難しくなったことや、PTA退会者が増え、「連合会加入費」などという形で上納していた費用の捻出が困難になってきたことが背景としてあるようです。

すでに脱退をしている学校なら、PTA役員の負担はかなり減っていることになりますが、反対に、「近いうちに脱退しよう」という流れが近隣校との話し合いで決まっている段階であれば、このタイミングでもし役員になってしまうと、脱退に向けた同意書作成や票の取りまとめ・説明会などで、例年よりも負担が大きい任期になる可能性もあります。

「強制加入」の見直しが加速

昨年秋に、加入の同意もなくPTA会費を支払わされていたとして、教職員が校長と元PTA会長を相手に訴訟を起こしたことが全国的なニュースになっていました。PTAは任意団体なので、本来であれば加入・非加入の意思を確認する必要があるのですが、昔ながらのPTAでは、いまだに入学と同時に強制的に加入させられるPTAも少なくありません。

今回の訴訟を受け、「PTA適正化」に関する申し入れを、各学校PTAに送付した自治体は少なくありません。(娘が通う小学校からも、県教育委員会からこんな書類が届きましたー!とPTA適正化を促すリーフレットを渡されました。)

これまではPTA適正化を避けてきていた学校も、ここから少しずつ、適正化に向けて動き出すかもしれません。

「学校の第二の財布」問題

昨年、名古屋市でPTAから巨額の寄付を受けている学校があると問題になりました。創立◯周年などのイベント時に、PTAから学校に記念品の寄付などが行われてきている学校は私の周りでも少なくないようですが、問題になったのはPTAの資金を学校側が必要な手続きをせず、PTA会員の総意も得ずに自由に使っていたこと。このニュースを受け、各県教育委員会や学校側に、PTAからの寄付に関する見直しや会費の管理方法などに関しての「正しい形」を周知する動きが広がっており、各学校のPTAにもパンフレット等が配られている自治体もあるようです。

この断り方NGかも?

昨年のPTAの辞め方について書いた記事を読んでくださった方は、上記のPTA情勢を理解したところでうっすら「NGな断り文句」に関して想像がついておられるかもしれません。

「私が役員になったら改革します」

以前の記事では、PTA改革がここまで進んできていない学校には、それなりの「改革に向けて舵を切らない理由がある」と記載しました。過去の役員さんや、地域の子ども会などの団体に「自分たちは大変な中頑張ったのに、楽にしようなんて許せない!」といった反対派の方がおられることで、適正化の話が持ち上がっても立ち消えになるという場合も多いようです。

そんなPTAなら、「私がもし役員になったらPTAの適正化を推進して、これまで役員を務めた保護者も再任できるシステムにします!」という人が現れると、本部役員たちは「面倒くさいことをいう人が現れた…」となり、「役員はまた今度お願いしましょうかー」となりやすい、というのが昨年までの風潮でした。

しかし、時代の流れ的に、適正化が進んでいないPTAでも、「そろそろPTA適正化に向けて動き出さないと…でも面倒だし自分たちの代ではやりたくないなあ…」という雰囲気になってきている可能性があります。

自分が役員になったら適正化します!という人が現れたら、「じゃあお願いします」となってしまう可能性は高いですよね。

つまり、「私が役員になったら適正化します」という脅し文句(?)は、今年以降はちょっと危険かも?という私の見解です。

前回記事でも紹介したNG断り文句は相変わらずNG

  • 「未就学児がいる」
  • 「介護中」
  • 「フルタイムで働いている」

前回記事でも紹介したこちらの3つの断り方は、「自宅でできる作業を振り分けるから」「これまでもそういう人が役員をやってきているから」と、断りきれない可能性が高いことに変わりはありません。一度こう言った断り文句を口にして、「それなら大丈夫!」と切り返されてしまうと、一気に形成が不利になるので、実際にこういった内容で断りたいのであれば、PTAの仕事を少したりとも行えない理由をプラスして、コンボ技で挑むことまで考えておく必要があります。例えば、「介護中+自分自身も病気がちで余裕がない」「フルタイム勤務+シングルマザーでわずかな睡眠時間を確保するので精一杯」など。嘘をついて断ると後々の保護者同士の付き合いにも響いてくるので、これら三点の断り方で断ることが可能な方は少ないかもしれません。

有効な断り文句3選

では、どのような断り方なら断れるのか、三つ考えてみました。

「PTAを退会しようと思っている」

これは前回の記事でも書いた、有効な断り方です。PTAは任意団体のため、入会や退会は自由意思である必要があります。つまり、退会したいと会員に言われたら、PTAには引き留める権利はありません。

周りの目や地域の人間関係などが気になる、という方には不向きかもしれませんが、PTAとしては退会を引き留められないですし、辞める予定の人に役員を当てることもできないため、ほぼ間違いなく役員を回避できるフレーズと言えます。(引き留められた場合に、「任意団体が加入を強制するのは違法です!」と言うことも想定しておかなければなりません。)

「今年度でPTAを退会予定です」「PTAが適正化されるのであれば、退会は見送りたいと思っています。」

適正化されるのであれば、役員をむりやり押し付けられたりすることもなくなるので、「今日のところは、適正化されるのかどうか、様子を見にきました」という感じのスタンスで見守りましょう。

「途中降板の可能性がある」

長期入院の予定がある・転勤の可能性がある、など年度途中で役員を辞退する可能性がある、という断り文句は有効です。よくある断り文句なだけに、本部役員としては真偽を疑う気持ちは湧いてきますが、実際に、役員に決まってしまってから転校されてしまった場合に困るので、役員選考からは外さざるを得ないことになります。

問題は、補欠役員まで決めるPTAであれば、役員に欠員が出たとしても、特に不都合がない、という点です。最近は役員のなり手不足のため、補欠役員まで決めるPTAは減ってきていますが、もし補欠役員まで決めるPTAなのであれば、この断り文句は有効性が薄くなるので注意が必要です。役員を決める前に、何名役員に選出するかを発表されると思うので、その際に「役員◯名、補欠◯名」と言われた場合はすぐさま方向性を切り替えましょう。

PTA自体を退会する

PTAの学級委員などを決める会合は、大抵新学期が始まって一・二週間後あたりに行われる参観日のあとなどに開かれる場合が多いようです。どうしても役員になりたくなければ、新学期が始まってから役員選考が行われるまでの期間にPTAを退会してしまいましょう。まずは学校に電話をして、退会の意思を伝え、退会届を子どもを通じて持ち帰らせてもらうよう連絡します。適正化が進んでいる学校なら、問題なく、そのままあっさり退会ができます。適正化が遅れている学校なら「PTA会長さんに確認をして、そちらから連絡してもらいます」などと言われたり、退会を引き止められたりしますが、「学校が無許可で個人情報をPTAと共有するのは違法ですし、今から辞めようというPTAに個人情報を教える許可はしたくありません。」「PTAは任意団体なので引き止められる権利はないと思います」と、迷惑がられてもなるべく学校との電話連絡で退会に持ち込みましょう。詳しい退会方法は、【PTAを辞めたい!退会方法を現役本部役員がレクチャーします。】の記事でご紹介しているので、そちらも併せてチェックしておいて下さいね。

最後に

あれこれ書いてきましたが、適正化されていないPTAで、穏便に役員を断るのはかなり難易度が高いことは確かです。何せ、現在までに役員を務めておられる方が、やりたくないのに役員をやった、という積み重ねがあるので、やりたくない気持ちを尊重するという考え方がそもそも存在していないためです。辞退したいのであれば、対立する覚悟を持ってハッキリと断る方が、断れる確率はアップします。

全てのPTAが適正化され、やりたくない人が役員を押し付けられることのない社会になってくれるのが一番なのですが、誰かが頑張らないと適正化も進みません。断りきれずに役員になってしまった場合は、これ以上犠牲者を増やさないためにも、自分の年度で適正化・PTA業務の簡素化を進めてしまうのも一つの手かもしれません。

子育て情報ライター/姉妹ママ

ライター歴10年。普段は取材記事をメインに、さまざまなジャンルの記事を書いています。こちらでは小学生姉妹+歳の離れたベビーママの目線で、日々感じたことやPTAの適正化・プチプラ情報など幅広い「子育て情報」を発信中です!家政科出身で、服飾・情報処理には強く、掃除と、子の成長に弱い、昭和生まれママ。好きな食べ物はスイカと、海老のビスク。

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