クリーンアップが揃って適時二塁打を含む3安打!中日に連勝《7/7 阪神ファーム》
7月に入ってからの阪神ファームは、オリックス3連戦と中日3連戦の6試合を行いました。そのうち3日のオリックス戦(高槻)では18安打、7日の中日戦(ナゴヤ)は16安打と打線爆発!とはいえ相変わらず2ケタ残塁が多いのも現状ですね。きのう7日は、クリーンアップの今成選手、横田選手、陽川選手が揃ってタイムリー二塁打を含む3安打ずつ!また森越選手、緒方選手、坂本選手が2安打ずつ、途中出場の板山選手が1安打という内訳でした。
先発は望月投手で、プロに入って初めての6回、そして7回のマウンドを経験。イニング途中で交代となったものの、自信とともに新たな課題を見つけた93球だったようです。ただ6回まで6対1と余裕を持っていたはずが、望月投手の降板後から6点を返されて、終わってみれば2点差の勝利。9回に出た森越選手の今季1号2ランのおかげですね。
《ウエスタン公式戦》7月7日
中日-阪神 19回戦 (ナゴヤ)
阪神 200 220 012 = 9
中日 010 000 402 = 7
◆バッテリー
【阪神】○望月(2勝1敗)-島本‐二神-高宮‐金田‐Sサターホワイト(2S) / 坂本
【中日】●雄太(4敗)(4回)-三ツ間(2回)-岩瀬(1回)-八木(1/3回)-武藤(2/3回)-福(1回) / 木下-加藤(5回表)-赤田(6回~)
◆本塁打 森越1号2ラン(福)、渡辺1号2ラン(金田)
◆二塁打 横田、陽川、坂本、今成、遠藤
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗/失) 打率
1]二:森越 (6-2-2 / 0-0 / 0 / 0) .236
2]左:緒方 (6-2-1 / 2-0 / 0 / 0) .263
3]三:今成 (4-3-1 / 1-1 / 0 / 0) .429
〃走一:荒木 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .261
4]中:横田 (5-3-1 / 0-0 / 0 / 0) .317
5]一三:陽川 (5-3-2 / 0-0 / 0 / 1) .317
6]指:小宮山 (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .269
〃打指:ペレ (2-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .309
7]右:柴田 (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .258
〃右:荒木 (1-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .223
8]捕:鶴岡 (4-2-1 / 1-0 / 0 / 0) .256
9]遊:植田 (4-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .075
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
望月 6.1回 93球 (6-4-2 / 4-3 / 2.63) 149
島本 0.0回 12球 (1-0-2 / 1-1 / 5.52) 144
二神 0.2回 7球 (0-0-0 / 0-0 / 0.95) 140
高宮 1回 10球 (0-0-0 / 0-0 / 1.80) 138
金田 0.1回 17球 (2-0-1 / 2-2 / 4.57) 150
サタ 0.2回 8球 (0-2-0 / 0-0 / 0.00) 148
試合経過
阪神は1回、1死から緒方と今成が連打して横田のタイムリー二塁打!続く陽川もライトフェンス直撃の二塁打で横田が生還して、この回2点を先取します。三者凡退で立ち上がった望月は2回、阿部をファースト陽川の捕球エラーで出し、井領と松井佑に連打されて1死満塁となり、8番・木下の中前タイムリーで1点返されました。
しかし4回、2死から植田が相手エラーで出て森越の右前打で一、三塁とし、緒方が左前タイムリー!今成の左翼線二塁打で森越も還って計2点。5回は陽川の右前打と小宮山の四球などで1死一、三塁となって坂本の左前タイムリー!次の植田が四球を選び満塁、2死後に緒方の打球をサードが弾き、このエラーで1点追加。坂本も二塁からホームを狙いましたがタッチアウト。それでも、この回2点で6対1とリードを広げます。
望月は3回、ヒットと四球で無死一、二塁としたものの、自らバントの打球を処理して三塁封殺、次は投ゴロで併殺を取り0点に抑えました。そのあとは4回と5回を三者凡退に切って取り、プロ初の6回へ。その6回もわずか7球で三者凡退です!7回も続投し、1死から松井佑に死球(カーブ)、赤田は左前打で一、二塁。代打・古本の中前タイムリーを浴びたところで降板。
代わった島本は四球で1死満塁とし、次も四球で押し出し…。続く遠藤にも右前タイムリーで、島本は1死も取れずに3点を追加されて交代。ここで二神が登板して後続を断ちますが、この回は計4点を返されて6対5と、リードは1点に。投球練習場ではサターホワイト投手もピッチングを開始しました。
打線が8回に今成、横田、陽川の3連打で1点を加え、その裏は高宮が三者凡退。そして7対5で迎えた9回、先頭の板山が右前打、坂本の犠打で二塁へ。2死後に森越が今季1号の2ランを放って9対5と再びリードを広げます。しかしその裏、金田が1死から四球を与え、代打・渡辺にやはり今季1号の2ランを浴びて9対7。続く遠藤に二塁打されたところでサターホワイトが登場し、友永と阿部から連続三振を奪って試合終了!
虎の末っ子はすくすくと育っています
2勝目を挙げた望月投手。「前回(先月26日の同じ中日戦)、ボールが高くて結構いかれたので、この1週間は球を低くというのを意識してやっていました。それがゲームでも出せたので、その部分ではよかったですね。まだ追い込んだあとの、決めにいったストレートが、少し力を入れるとベルト付近の高さに行っちゃうと、きょう思いました。そこがこれからの課題です」
プロ最長、7回途中まで投げたことは?「100球をメドと言われていたので。イニング間とか、5回終了時のグラウンド整備とか、そういう時間も経験できてよかった。グラウンド整備(を挟むの)は初めてだったから、どうするのかなあと思ってました」。で、どうしていたかというと、特に変わったことはなく普通だったみたいですよ(笑)
「あとの方になってくるとカーブの抜けとか、ストレートの低めの精度とか、課題が見つかってきたので長く投げられてよかったです」。スタミナ面は?「6回、7回と140キロちょっとくらいのストレートが多かった。追い込んだあと、ちょっと高かったけど140後半が出たんですけど、坂本さんに『スピードが出てもキレが…』と言われました。それも意識しないと」
110キロ台のカーブは効果的でしたね。「真っすぐ張りの中での緩急が、きょうは使えたと思います。掛布監督にも『点差がついてきたら、ああいうカーブが有効』と言われた。意識して練習していきたいですね」。強い日差しを浴びて、鼻の頭が真っ赤!「もともと高いんで…」。おっと、鼻が高いから焼けたってこと?なかなか言うねえ。と思ったら「ち、違います」と手をブンブン振り「もともと赤いんで」と望月投手。聞き間違えました!ごめんなさい。
5回のグラウンド整備中のこと以外に、交代を告げられた時の望月投手が持っていたボールを見せて何か尋ねていたのです。あれは何だったのかな。途中交代は初めてではないでしょう?「高橋コーチがボールを持ってきていたから、自分の持ってるボールはどうしたらいいのかな?持って帰るのかな?と思って」。なるほど。まだまだ初々しいモッチ―です。
サターホワイト、初連投も2K締め!
サターホワイト投手は、6対5となった直後の8回にピッチングを開始し、そのあと味方が追加点をあげて4点リードとしたため、9回の攻撃中は投げるのをいったん止めていたのです。ところが9回裏、金田投手が2ランを浴びて2点差になり再開。初連投となりました。準備していたとはいえ、少しバタバタする登板にも「Good!(問題なし)」と笑顔。
相手が押せ押せムードでの登板で「確かにホームラン、二塁打と勢いは向こうにあった。それでもストライクを投げるのは基本のこと。火消しが(自分の)役割なので」とサターホワイト投手。火消しを『Kill the fire』って言う時の発音がいいなあと、当たり前のことを思いながら聞いていました。
掛布監督は連投に「全然問題なかった。でもサターホワイトや高宮は休ませながらいきたかっただけど、やむを得ず。4点差あったから投げる予定じゃなかった。あすのソフトバンク戦にと思って。3連投は避けたいからね。でも、ああいうピッチャーいると楽だよね」と話しています。
そして投手陣全体を振り返って「こういう試合を制したのは大きいが、これだけ点を取られたらゲームの組み立てが難しくなる。ノーガードの殴り合いだと、ある程度は交代するピッチャーたちも状況判断して、自分の納得する形を見せてほしいよね」と言い、7回に望月投手をリリーフした島本投手が連続四球を与えたことに話は及びました。
「島本も、勝負しないといけないところで勝負してくれたらよかった。それがファーム。逃げる場所じゃない。金田が2ラン打たれたけど、あれはしょうがないでしょう。勝負してのことだから、今後の彼の課題として考えればいい。いけないのはフォアボールを出すこと。ヒットになるならいいけど、フォアボールは絶対出しちゃダメ。もっと厳しい勝負をしないといけないからね。逃げてはダメ」
結果的に大きかった9回の2ラン
1番セカンドでフル出場した森越選手は4回に右前打、9回にレフトへホームランで2安打2打点。ホームランはいつ以来?「去年以来。ことしは練習試合で打っただけですね」。練習試合とは、ことし4月26日に行われた社会人・履正社学園戦(鳴尾浜)のこと。22得点した試合で、その7回に先頭でホームランを打ちました。公式戦では昨年9月19日のソフトバンク戦(鳴尾浜)で放った3号ソロ以来の1発です。
感触はよかった?「入ると思いましたよ。あれが入らなかったらもう、ってくらいで。真っすぐです。完ぺき」と話す、その横を掛布監督が通過しながら「森越!ナイス!」と声をかけ、森越選手は「有難うございます」とニコニコ。そのあと「他の打席も感じは悪くなかったので続けていけるようにしたい」と締めくくりました。
2番レフトの緒方選手は2安打で、この日も4回にタイムリーを放ったので、これで5試合連続打点。「ここ最近は、アウトになった打席でもしっかり振れています。ヒットもライト方向だけじゃないですし、(5回の)サードへの打球も、エラーはつきましたけど、いい感じだったので。ボールをよく見られている証拠だと思います」
クリーンアップが揃って仕事
掛布監督が「横田が3番で、ある程度“軸”になっていますね。形ができてきたのが大きい。バッティング練習も違うからね。もう少し時間をかけて本物になればいい。自分の感覚で、体で感じとれるくらいにしたい。陽川も5番で気分的に楽になったのか、いい形で打てていると思いますよ。打線は上向きです」と言うように、この日はクリーンアップトリオが揃って打ちました。
3番の今成選手は4回のタイムリー二塁打を含む3安打1打点。「こういうヒットは出ているけど、自分の納得するヒットを求めていこうと思います。毎日毎日、結果が出るよう継続してやっていきたい」
4番・横田選手は1回のタイムリー二塁打を含む3安打1打点。8回の中前打が技ありに見えて、聞くと「あれはスライダーです!」と嬉しそうでした。調子は上がっていると思いますが「まだまだです。続けられるように頑張ります」と、いつも通りの答え。
5番は陽川選手です。横田選手がタイムリー二塁打、8回も左前タイムリーで3安打2打点。バッティング練習でアドバイスを送っていたオマリー打撃コーチ補佐が、試合後に「左肩を先で右肩はあと。アタマが前はダメね。きょう、アタマOK!」と話していたそうです。なお「打順は関係ないですね」とのこと。本人もいろいろと考えながらやっていて、それが少しずつ出ているのではないでしょうか。