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ウクライナの中立化をロシアと議論中。ウクライナは拒否、ラブロフ外相は「合意に近い」

今井佐緒里欧州/EU・国際関係の研究者、ジャーナリスト、編集者

ロシアとウクライナの代表団は、16日、協議を再開した。

数名のロシア政府関係者が議場に立ち、「ウクライナの中立的地位は、スウェーデンやオーストリアのようなもので、交渉担当者が取り組んでいる妥協案である」と述べた。

ロシアのラブロフ外相は、ロシアのメディアRBKのインタビューで、「これは現在交渉で議論されていることで、非常に具体的な方式があり、私は合意に近いと思う」と断言した。

その数分後、ウクライナ大統領府は、この「スウェーデンやオーストリアの中立」というモデルを否定した。大統領府によると、ウクライナの交渉担当者の一人であるミハイロ・ポドリャク氏は、「ウクライナは今、ロシアと直接戦争状態にある」、「したがって、モデルはウクライナでなければならない」と要約している。

この「中立の地位」の可能性は、ウクライナがNATOへの加盟を断念することを意味するものであった。

ゼレンスキー大統領は、昨日、自国がNATOに加盟しないことを「認識」しなければならないことを認めた。さらに、ロシアの要求が「より現実的になってきている」とも述べたが、それ以上の詳細については言及しなかった。

代表団同士の話し合いが続いている。

この内容が、24日のNATO会議で話される可能性が高い「NATOによるウクライナの平和ミッション・平和維持軍」の案に、現在どのように関わっているのか、今後関わるのかも、注目される。

ところで、なぜスウェーデンやオーストリアのような中立化なのか。今まで何度も語られてきたのは「フィンランド」のような中立化だった。この違いについては検証して、また記事で発表したいと考えている。

1)参考記事 今日16日朝 速報:ポーランド等、NATOに武装した「平和ミッション」をウクライナに設置することを要請

2)参考記事 今日16日夜 続報:次のNATO会議で、ウクライナでの「NATO平和ミッション・平和維持部隊」を議論か

※余談だが、最近は『ル・モンド』とフランス公共放送が、競い合うように報道をしている。二大巨塔という感じがする。他のメディアもそれぞれの強みをいかして報道に全力を注いでいる(例えば、一般市民の動きに強い、キリスト教徒ネットワークからの情報収集に強い、独自分析に強い、など)。どれも読み応えがあるが、多すぎて読み切れない。フランスのメディアはすごい国際的な取材力、情報収集能力、分析力で、これがジャーナリズムなんだ、世界一流レベルというのはこういうものなのだと、感嘆しきりである。

欧州/EU・国際関係の研究者、ジャーナリスト、編集者

フランス・パリ在住。追求するテーマは異文明の出会い、平等と自由。EU、国際社会や地政学、文化、各国社会等をテーマに執筆。ソルボンヌ(Paris 3)大学院国際関係・欧州研究学院修士号取得。駐日EU代表部公式ウェブマガジン「EU MAG」執筆。元大使のインタビュー記事も担当(〜18年)。編著「ニッポンの評判 世界17カ国レポート」新潮社、欧州の章編著「世界で広がる脱原発」宝島社、他。Association de Presse France-Japon会員。仏の某省機関の仕事を行う(2015年〜)。出版社の編集者出身。 早稲田大学卒。ご連絡 saorit2010あっとhotmail.fr

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