ふんわりしっとり、まるで淡雪の口溶け「最上川あわゆき」はずんだの旨味が詰まった和スイーツ
寒い寒いといいながら、雪が積もるのを心待ちにしている子供たちをみると、なんとなくほほえましい気持ちになります。大人は雪かきやら交通の便の心配やらと気が気ではないのですが…。また、積雪だけではなく、過去水道管が破裂した経験のある私的には凍結の心配も。
なんて、全くムードも情緒もないボヤキからはじまってしまいましたが、足跡の無いまっさらな雪は、どこか浮世離れした幻想的な一面も。山形県を流れる一級河川最上川。川下りなんかでも観光客が集う河川ですが、冬になるとその両岸にはふんわりとした雪が積もり神秘的な世界に早変わり。
そんな最上川の傍らに広がる市街地にお店を構える創業50年以上の和洋菓子屋「ぱんどら」さん。地域の方々かお土産を購入する観光客まで、沢山の方に長い間愛されてきているお店には、まさに今の季節にもぴったりな和のスイーツの看板メニューがあるのです。
今回はぱんどらさんの「最上川あわゆき ずんだ」をご紹介。
澄んだ白いスポンジケーキは、その菓銘のごとくまさに淡雪のよう。泡立てた卵白をたっぷりと使用した生地はしゅわっと溶けていくような口あたりながらも、べちゃっとしない弾力も仄かに備えたオリジナリティ満載の食感です。メレンゲ生地のケーキが両岸の新雪ならば、サンドされているずんだクリームは最上川というところでしょうか。
あっさりとしながらも、乳製品特有のコク深い味わいが引き立つクリーム。そして、やや粗めかつ粒感が残っている茶豆。それぞれが素材の味わいをはっきりと保ちながらも調和しているのはお見事。上生菓子のようなサイズ感かつ軽やかな食感ながらも、甘味以外の香り立ちや旨味により満足感で満たされるような余韻で締めくくり。
あわゆきが誕生した約20年前から、ほとんど材料は変えていないということ。おそらくあわゆきを口にした方が親となり、その子供もきっとファンになって続いていく。銘菓が紡がれていく過程を、美味しさと共に実感することができました。
次は皮むき餡、もししくは栗餡もいただいてみたいと思います。
<ぱんどら・本店>
公式サイト(外部リンク)
山形県北村山郡大石田町駅前通8-6
0237-35-3404
8時30分~18時
年中無休