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海洋生物保護に影響がある!日焼け止めの選び方とその影響は?

TOUYA化学系研究者

 夏本番!紫外線対策として、多くの方が日焼け止めクリームを使用されていると思います。しかし、日焼け止めクリームが海洋生物、特にサンゴに与える影響をご存知ですか?

日焼け止めの海への影響は?

 多くの日焼け止めクリームや化粧品には紫外線吸収剤が含まれています。これは肌からの紫外線を吸収・散乱し、ダメージを防ぐための成分です。しかしながら、この紫外線吸収剤がサンゴ礁に対して持つ悪影響が近年の研究で明らかになってきました。

特にオキシベンゾンに関しては、オリンピック競技用プール6.5個分の水にたった1滴加えるだけでサンゴへの有害性が確認されています。

 例として、ハワイでは2021年、サンゴへの有害な影響を与えると認識されたオキシベンゾンやオクチノキサートを含む日焼け止めの販売が「サンスクリーン法」によって禁止されました。

サンゴへの具体的な影響は?

具体的な影響には、以下のものがあります。

1.サンゴの白化

紫外線吸収剤、特に酸化ベンゾフェノン系の成分がサンゴの若魚や幼生に対して有害であることがわかっています。これらの化学物質によって、サンゴが共生している褐虫藻が放出されサンゴの白い骨格が透けて見える現象、いわゆる「サンゴの白化」が進行します。

2.サンゴのDNA損傷

サンゴのDNAが損傷し、その結果、成長や再生能力が低下することがあります。

3.人体への影響

香港浸会大学の研究により、日焼け止めに一般的に使用される7種類の化学物質が香港の海水や海洋生物から大量に検出されたことが報告されています。

日焼け止めの選び方

 紫外線散乱剤を主成分とする日焼け止めや、ラベルに「ノンケミカル」や「紫外線吸収剤不使用」などと表示されているものを選択することで、海洋生物への影響を低減することが期待できます。

海辺での日焼け止めの使用により、化学物質が海へと流れ、特に観光地での累積的な影響が懸念されています。

バカンスを楽しむ際には、ノンケミカルな日焼け止めや、非化学的な紫外線防御策(帽子や長袖のシャツなど)を選び、海洋生物の保護を心掛けましょう!

化学系研究者

東京工業大学大学院の修士課程を卒業後、化学メーカーの医学系研究者として従事。研究成果がメディアに取り上げられた経験有り。科学やAIを活用したお役立ち情報を書いていきます!

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