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15勝(8KO)1分けでNABFライト級タイトルを得た新王者が希望する次の相手

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(C)Amanda Westcott/SHOWTIME

 SHOWTIMEの若手を育成番組「The New Generation」のメインイベントで対戦した14勝(8KO)無敗1分けのジャマイン・オルティスと、14勝(7KO)1敗のナヒアー・アルブライトの一戦は、空位のNABFライト級タイトル決定戦として認定された。

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 スピードのある両者だったが、アルブライトのジャブ1発に対し、オルティスは3発放ちながら前進する。その手数と積極性がリングジェネラルシップと評価され、ポイントを稼いだ。

 クリンチで縺れ合うシーンも見られたが、片腕をキメられながらもオルティスは、至近距離からアッパーを見舞う。かなり気の強い選手である。また、まとめて打てるところがアドバンテージだ。

(C)Amanda Westcott/SHOWTIME
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 後半、ペースダウンして至近距離からのパンチを浴びたものの、97-93が2名、残る1名は98-92で、オルティスが負け知らずのままベルトを巻いた。

 勝者が力を込めたパンチを216発ふるい、そのうちの103をヒットさせたのに対し、同じ数のハードパンチを出しながらもアルブライトが命中させたのは、88発。誰もが判定に異論は無かった。

(C)Amanda Westcott/SHOWTIME
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 試合後、オルティスは言った。

 「今日、俺は成熟した姿を披露出来たと思う。序盤は注意深く戦ったよ。一つ前の試合のように、勝ちを逃すのはゴメンだからね(ドローに終わった)。2ラウンドを終えて、彼に対する攻略法を理解した」

(C)Amanda Westcott/SHOWTIME
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 そして次戦に対戦を希望する選手として、WBA同級の指名挑戦権を持つローランド・ロメロを挙げた。14戦全勝12KOのロメロは、昨年末にジャーボンテイ・デービスに挑む筈であった。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20220117-00277431

 「ロメロはビッグネームとやりたいだろうよ。ヤツはパンチはあるが、足が使えない。俺にとっては美味しい相手さ。まずは挑戦者決定戦で勝って、タイトル戦に繋げたい。そして、パウンド・フォー・パウンド、ベストになるのが目標だ」

 オルティスは激戦区ライト級で、存在感を放てるか。

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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