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37歳。兵庫県の山村での定住を決めた僕。マッチングアプリでは惨敗続きです~おみおじリポート181~

大宮冬洋フリーライター
ついに人生が定まったマイペース男性。結婚相手も捜索中です。(筆者撮影)

「北田さんと別居婚したいという女性はいないと思います。メリットがないからです」

※2024年10月17日追記。北田さんは半年間の受けオネット期間を終了し、自動退会日を迎えました。残念ながら結婚につながるような出会いはオネットではご紹介できませんでしたが、彼の幸せを祈りつつ見送りたいと思います。

 こんにちは。大宮です。自分の周囲にいる独身男女の婚活を前のめりで支援する「お見合いおじさん活動(略称:おみおじ)」を婚活パーソナルトレーナーのマチコ先生と一緒に推進しています。僕の読者(この記事を読んでいるあなたも該当します)で「そろそろ結婚したい」という人をオネット(大宮ネットワーク)にお迎えし、良縁を結ぶことをお手伝い中です。本連載ではその活動の一端をレポートしています。オネット会員の種類(受けor攻め)と募集についてはこちらをご覧ください。
「北田さんと別居婚したいという女性はいないと思います。メリットがないからです。これから農業を始める北田さんも、心身ともに結婚相手に寄り添ってほしいのではないですか? 婚活は何でも条件を緩めればいいわけではありません!」
 マチコ先生がいつになく厳しい口調で説いています。兵庫県の山村で農業見習い中の北田高広さん(仮名、37歳)が「言いやすい」タイプだからではなく、彼はピンポイントの需要を狙わなければならないからです。
 北田さんがオネットに初登場してくれたのは2021年9月(記事はこちら)。当時は発酵食のお店で働いていた北田さん。学びの多い日々を過ごしつつも、今後どこでどのように暮らすのかは定まっていませんでした。
「農業をしつつ加工品を作りたい」みるとという想いを捨て切れずに円満退職し、和食店に移って調理の経験もさせていただきました。今は兵庫県内の山村で栗の栽培を始めています

移住先のご近所さんにもらった原木しいたけと野菜で自炊。「無理なもらいものはありません。こちらが顔を見せればいただけることがあったりする、ほどよい距離感の人間関係です」(本人提供)
移住先のご近所さんにもらった原木しいたけと野菜で自炊。「無理なもらいものはありません。こちらが顔を見せればいただけることがあったりする、ほどよい距離感の人間関係です」(本人提供)

「工業製品以外は何でも自分たちで作る!」人たち。僕もその一人になりつつあります

 大学を卒業してから様々な職場で働いてきた北田さん。傍から見るとフラフラしているように見えますが、本人は「食と農」を中心とする田舎暮らしという目標に向かって一直線に歩んできたように感じているようです。
「定住することになった土地には、『工業製品以外は何でも自分たちで作る!』という気概がある人が少なくありません。僕もその一人になりつつあります。栗を副原料にした甘酒を作ってみたら面白そう、自分で作った加工品を出す民宿も営みたい、などと思っています」
 なるほど。夢はありますが、実際の暮らしは大丈夫なのでしょうか。
「今後2年間は自治体の嘱託職員の立場なので生活には困りません。逆に言えば3年後には農業や加工品の販売で生計を立てられるようになっていなければなりません。でも、この地域は以前から若者やよそ者を受け入れてきた実績があり、仕事はどんどん回してもらえます。まずは耕作放棄された栗畑の手入れから始めているところです」
 ちなみにこの自治体は北田さんが生まれ育った地元から車で1時間ほどの距離にあります。実家の支援を期待しているわけではありませんが、北田さんにとっては馴染みも縁もある土地。「こんなはずじゃなかった」と逃げ出すことはなさそうです。

関西在住なのに、筆者が住んでいる愛知県蒲郡市にも来てくれた北田さん。フットワークが軽い男性です。趣味はランニングで体力には自信があるというのでとりあえず走ってもらいました。(筆者撮影)
関西在住なのに、筆者が住んでいる愛知県蒲郡市にも来てくれた北田さん。フットワークが軽い男性です。趣味はランニングで体力には自信があるというのでとりあえず走ってもらいました。(筆者撮影)

やりたいことを頑固に押し通してきた。住む場所だけは自分に合わせてほしい

 北田さんのこれからの人生は面白くなりそうだなと僕は思います。ただし、現在の生活環境から離れて北田さんのところに行ってみたいと思う女性は非常に少ないでしょう。その女性の心にピンポイントで刺さることが必要で、あいまいなことは言うべきではない、とマチコ先生。確かに、経済的なメリットなどはないので別居婚は論外ですね。北田さんは意外と柔軟ではない自分に気づいたようです。
「以前は『関西に住むことにはこだわっていない』『独立するつもりはない』とお伝えしましたが、兵庫県の山村で農業を営むことに決めた今では事情が変わりました。自分はやりたいことを頑固に押し通してきたことが今になってわかります。結婚相手のことを精一杯応援しますが、住む場所だけは僕に合わせてもらわなければなりません」
 一方で、その土地での生活については相手の意向に合わせられるとのこと。料理をはじめ家事は得意なので家のことは任せてもらっても大丈夫です、と断言。よほど自信があるのでしょう。子どもを作るか否かも相手の希望に合わせられるそうです。

定住先にて山間に沈む夕日を撮影。「体を使って働いた後、ほっこりする時間です」(本人提供)
定住先にて山間に沈む夕日を撮影。「体を使って働いた後、ほっこりする時間です」(本人提供)

「この人は味方だ」と思える人がそばにいてほしい。自分も味方であり続けます

 こんな北田さんが結婚したい理由はシンプル。「この人は一番の味方だ」と思える人がずっとそばにいてほしい、です。もちろん、北田さんもその人の最大の味方であり続けるとのこと。
 北田さんの両親は健在で、「好きなことをやっている」末っ子を温かく見守ってくれています。兄と姉には家族があり、北田さんには合計5人の甥姪がいるそうです。そろそろ自分だけの家族が欲しくなったということでしょう。
「僕と会ってくれる女性はめったにいないと自覚しています。マッチングアプリでも惨敗続きです。でも、もしも『田舎暮らしは面白いかも』と思ってくれたら、一度話をさせていただければと思っています」
 実は、北田さんとのお見合いを打診したい独身女性がいます。北田さんと同じぐらい「農的な暮らし」を志向しつつ、北田さん以上に全国各地の職場をさまよっている36歳の女性です。彼女ならば北田さんのやりたいことに共感し、力を合わせることができるんじゃないかな。断られたときは別の候補を探したいと思っています。

発酵食品に関する知識が豊富な北田さん。微生物つながりで原木しいたけの栽培にも挑戦中です。(筆者撮影)
発酵食品に関する知識が豊富な北田さん。微生物つながりで原木しいたけの栽培にも挑戦中です。(筆者撮影)

※文中の受けオネット会員は仮名です。北田高広さんの詳細プロフィールやマチコ先生と大宮による超実践的婚活アドバイス(ヤフーの有料記事です)を読みたい方(=攻めオネット会員になりたい方)はこちらをご覧ください。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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