毎週土曜日の朝、定時開始の５kmラン＆ウォーク

　イギリス発祥の世界的イベント「パークラン」がついに日本に上陸した。記念すべき第1回が4月6日（土）朝、東京・世田谷区の二子玉川公園近くの河川敷で行われた。

　このイベントは、毎週土曜日の朝の決まった時間（今回は8:00）にスタートして、ランニング、ジョギング、ウォーキングと各自思い思いのスタイルで5kmを踏破するというものだ。大人から子どもまで、年齢、性別の制限なく、誰でも気軽に、しかも無料で参加できる。一応、アバウトにタイムと順位を計測・記録するが、健康増進と地域コミュニティ形成が主な目的なので、練習なしで参加しても全然、問題はない。

世界20カ国、1700カ所以上の公園で開催中！

　愛犬を連れて走るお姉さん、ベビーカーを押しなが走るお母さん、親子連れ、老父婦などいろいろな人が一緒に走る（歩く）。2004年にロンドンの公園で創始者のポール・シントン＝ヒューイットさんが親しい友だち数人を集めて始めたことがきっかけだ。現在もロンドンにある非営利団体「パークラン・グローバル」が主体となって世界20カ国、1700カ所以上で行われている。

　日本では住友生命保険相互会社がパークラン・グローバルとパートナーシップ契約を結び、住友生命のサポートで一般社団法人「パークラン・ジャパン」が設立された。21カ国目の開催国になる。

　二子玉川公園のスターバックスの脇の階段を降りた河川敷に、朝7時過ぎからランナーと思しき人が集まり始めた。イベントの運営はすべて無償のボランティアによって支えられている。ボランティアはみんな赤いベストを纏っている。最初はその赤いベストの人が目立っていたが、みるみる一般参加者の方が多くなった。桜は満開で、天気も最高だ。

世界中の好きな開催地域で好きな週末に参加できる

　パークランはWebサイトで一度登録すれば、世界中の好きな開催地域（公園）で好きな週末に参加できる。事前のエントリーや連絡はいっさいいらない。つまり、主催者側もふたを開けてみるまでは何人集まるかがわからないのだ。過去、新規開催の第1回目では159人参加したのが最高だった。160人を超えれば世界最多になる。だが、ざっと見てもすでに300人近い人が集まっていた。住友生命でパークランを担当している執行役常務の高田幸徳さんは、「20～30人しか集まらなかったらどうしようと思っていました。いや、嬉しい限りです」と顔をほころばせた。

　本場イギリスのほか、南アフリカ、ニュージーランドなどからの参加や、本国でパークランを体験したことのある都内在住の外国人も日本でのローンチ情報を聞きつけ、やって来た。オーストラリア在住の砂庭恵子さんは、たまたま実家に帰省中だったという。「もちろん、オーストラリアでもパークランに参加しています。実は、今日は私が所属しているメインビーチパークランの8周年記念の日でもあるんですよ！」（砂庭さん）。なんとも国際色豊かなのだ。

初回の参加者としては世界最多記録を突破した！

　登録メンバーは英連邦やアメリカを中心に350万人いるという。大会に参加するときはサイトからプリントした個人識別のバーコードを持って行く。それによって、タイムと順位と参加回数が記録される。その記録が参加へのモチベーションになるという仕組みである。当日、背中に「250」とプリントされたTシャツを着ている参加者が何人かいた。これは、参加250回を超えている人たちだ。

　結局、日本初の二子玉川パークランは343人が完走（完歩）して無事終了した。つまり、初開催日としては世界最多記録を塗り替えたわけだ。イギリスから駆けつけた創始者のポールさんは、「桜が満開のベストなシーズンに日本でのパークランが開催できて、最高の気分です。14年前に始めたときはわずかな友人しかいなかった。でも、いまは世界中に友だちが増えた。本当に嬉しい」と語っていた。

　二子玉川パークランはこれから毎週土曜日の朝8時にスタートする。参加したい人はまず、パークランジャパンのWebサイトで会員登録から始めてみよう！