【速報】ナイキは速いだけじゃなかった! 怪我ゼロへ挑戦するシューズを明日発表
2021年箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走)で「ナイキの厚底」の着用率がついに9割を超え、94.3%になったことを先日、お伝えした。今年はようやくミズノ、アディダズ、ニューバランスといった他メーカーも、ナイキに対抗する厚底高反発モデルを投入してくるという変化が見られたものの、まだしばらくは“ナイキ一強”が続きそうだ。
参考記事 【2021年 箱根駅伝・速報】着用率95.7%。参加210人中、201人が「ナイキの厚底」だった!
デビューから約3年を経て「長距離のシューズは厚底」という“新常識”が定着したといってもいい。
だが実は、ナイキは“速さ”だけを追求しているわけではなかった。最速シューズの「ナイキ エア ズーム アルファフライ ネクスト%」や「ナイキ ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%」と同じズームXフォーム(靴底に使われている発泡素材)を使って、速さよりも、安全に走れることを優先した新しいコンセプトのシューズが明日発表されることがわかった。正式発表前の情報を、Yahoo!ニュース読者のみなさんにお届けする!
新リリースのシューズは「ナイキ ズーム エックス インヴィンシブル ラン」(タイトル写真)だ。ナイキはもともと「プロジェクト 怪我ゼロ」と銘打って、ランニングでの怪我をいかに少なくするかという商品開発に取り組んでいた。その第一弾として昨年、「ナイキ リアクト インフィニティ ラン」を発売していた。
参考記事 「速さへの挑戦」の次は「ケガ予防」 ナイキ新シューズ「リアクト インフィニティ ラン」が面白い!
ズームX インヴィンシブル ランは、そのリアクト インフィニティ ランのアップデートバージョン(写真下)と同時に発表される。
両者の違いは、ソールに使われているフォーム素材だ。リアクト インフィニティ―はその名の通り、「リアクト」と呼ばれるフォームが使われている。一方、ズームX インヴィンシブル ランのソール素材は前述の通りズームXだ。
「怪我の予防というコンセプトのシューズの選択肢を広げました。レースでズームXを使ったシューズを履いている人が、普段の練習でもレースシューズと同じソール素材の感覚を味わいながら走れるシューズということを想定しています」(開発担当者)
両者に共通しているのが、強いクッション性と安定性だ。それぞれ、リアクト、ズームX素材がふんだんに使われ、履いてみるとわかるが、驚くほど脚に優しい感じがする。さらにヒール(かかと部)の底が幅広になっていて、とても安定感がある。ズームXを使ったインヴィンシブル ランの方が反発性(地面からの跳ね返り)が強いことがわかる。
このクッション性と安定性が脚への衝撃を抑え、負担を軽減して、結果として怪我少なくするということにつながっている。
さらに、写真で見ておわかりのように、ソールのつま先とかかとが反り返った「ゆりかご」のような形状をしていて、かかとからつま先へのスムーズな足運び(ライド感)を体感できる。正直、筆者レベル(フルマラソンなんとか4時間切り)のランナーならこのままレースもオッケーな感じだ。
ちなみに、ズームXは軽さと反発性を備えたデリケートな素材なので、速さを追求するアルファフライやヴェイパーフライは耐久性に難があるため、毎回の練習で履くのは躊躇があった。ズームX インヴィンシブル ランはその点を考慮して、ズームXのソール全体に薄いラバーが張られ十分な耐久性を備えているという。
価格は、リアクト インフィニティ ラン2が1万7500円+税、ズームX インヴィンシブル ランが2万円+税。
「速さ」だけでなく「怪我ゼロ」にも挑戦するナイキの取り組みに注目したい。