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オープン戦の本塁打王は、そのシーズンに本塁打王を獲得しているのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
柳田悠岐 NOVEMBER 14, 2014(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 オープン戦で誰よりも多くのホームランを打ち、迎えたシーズンに本塁打王を獲得した選手は、皆無ではない。けれども、2002年の松井秀喜を最後に途絶えている。

 21年前の松井は、オープン戦で福留孝介と並ぶ6本塁打を記録したのに続き、シーズンに入ってから50本のホームランを打ち、本塁打王と打点王(107打点)を獲得した。ちなみに、この年の福留は19本塁打。こちらは、打率.343を記録して首位打者となり、松井の三冠王を阻んだ。

 過去10年(2013~22年)における、オープン戦の本塁打王は、以下のとおり。

筆者作成
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 ウラディミール・バレンティン岡本和真(読売ジャイアンツ)の2人は、シーズンの本塁打王を獲得したことがあるものの、オープン戦のホームランが最多だった年とは一致しない。バレンティンのシーズン本塁打王は2011~13年なので、オープン戦の本塁打王は、どちらもその後。2014年の4本塁打と2018年の6本塁打だ。岡本も同様。シーズン本塁打王が2020~21年、オープン戦の本塁打王は2022年だ。

 延べ16人中、そのシーズンに20本以上のホームランを打った選手は6人いるが、10本未満も7人を数える。

 リーグ・トップ3にランクインしたのも、バレンティンと岡本の2人しかいない。2014年に31本塁打のバレンティンは、本塁打王のブラッド・エルドレッドと6本差の2位。2018年の38本塁打は、本塁打王のネフタリ・ソト(横浜DeNAベイスターズ)と3本差の3位タイだ。昨年の岡本は、村上宗隆(東京ヤクルト・スワローズ)に26本差をつけられたものの、順位は2位に位置した。

 トップ10入りは、他に2人。2020年に20本塁打のタイラー・オースティン(横浜DeNA)が7位タイ、2021年に24本塁打の佐藤輝明(阪神タイガース)は6位だ。オースティンの場合、65試合で20本塁打。11.9打数/本のハイペースだ。それについては、「来シーズンは本塁打王!? 横浜DeNAのオースティンが記録した「量産ペース」は両リーグ1位」で書いた。もっとも、オースティンは故障が多い。昨年10月に右肘の手術を受け、今年の初出場がいつになるのかも、まだわからない。

 今年の場合、オープン戦の本塁打王がシーズンの本塁打王となる可能性は、例年以上に低そうだ。前年に30本塁打以上の3人、56本の村上、41本の山川穂高(埼玉西武ライオンズ)、30本の岡本は、いずれもWBCに出場する。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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