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冬将軍・渡辺明棋王(37)10連覇か? 鬼軍曹・永瀬拓矢王座(29)奪取か? 2月6日、棋王戦第1局

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 2月6日。静岡県焼津市・焼津グランドホテルにおいて第47期棋王戦五番勝負第1局、渡辺明棋王(37歳)-永瀬拓矢王座(29歳)戦がおこなわれます。棋譜は公式ページをご覧ください。

 将棋界の歳時記では、王将戦七番勝負と棋王戦五番勝負は冬から早春にかけておこなわれます。「冬将軍」と呼ばれる渡辺棋王は現在、棋王位を9連覇中です。

 前期五番勝負では糸谷哲郎八段の挑戦を3勝1敗で退けました。

 渡辺棋王は今期防衛を果たせば、節目の10連覇達成。棋王戦の最長連覇記録は羽生善治現九段の12連覇です。

 永瀬王座は今期トーナメントを勝ち抜いて挑戦権を獲得しました。

 永瀬現王座(当時七段)は2017年度、渡辺棋王に挑戦。フルセットの激戦の末、2勝3敗で敗退しています。

 両者は過去、公式戦で21回対戦。成績は渡辺16勝、永瀬5勝です。

 今年度は4月に棋聖戦挑戦者決定で当たり、渡辺棋王が勝ちました。

 8月のABEMAトーナメント(準公式戦)では永瀬王座が連勝しています。

 渡辺棋王の今年度成績は18勝16敗(勝率0.529)です。

 直近では5連敗中なのが気がかりなところ。そのうちの3敗は王将戦七番勝負で藤井聡太挑戦者に敗れたものです。

 永瀬王座の今年度成績は31勝18敗(勝率0.623)です。

 2月4日におこなわれたA級順位戦8回戦では羽生善治九段に勝利。中一日でタイトなスケジュールですが、A級残留を決めて気分よく棋王戦に望める、というところでしょうか。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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