「にわか」サッカーファン必見! ワールドカップでワンランク上の観戦ができるかも? 珠玉のマンガ3選
サッカーのワールドカップ・カタール大会もあとわずか。日本代表が強豪国を倒したことを受けて、サッカーに興味を持った人も多くいるでしょう。そんな「にわか」ファンに、少し読んだだけでもワンランク上の観戦が楽しめるきっかけになるであろう“珠玉”のマンガを紹介します。
サッカーと言えば、ボールをゴールに入れれば勝ちというシンプルなルール(初心者が戸惑うオフサイドはさておき)ですが、新しい戦術が編み出され、それを打ち破る作戦が研究されることの繰り返しで、さらに各国の文化や価値観もからんでいます。いろいろな「引き出し」を持っておくと、より楽しめるのです。ここで紹介するサッカーマンガは、ネットで無料で読める冒頭部分だけでも、サッカーの奥深さを感じさせてくれるものばかりです。
日本代表の快進撃を受けてSNSで監督や選手への意見・批評が白熱し、「にわか」というワードが話題になりました。賛否はあるでしょうが、それはサッカーに興味を持つ人が増えたことを意味し、サッカーにとっては喜ぶべきことです。そして、どんなに詳しい人でも、最初は何も知らないのです。覚えていく楽しみがたくさんあるという意味では、「にわか」の時こそ、最高に面白い時と言えるのではないでしょうか。
◇日本代表の戦術“先取り”
まずは、弱小チームを率いる切れ者の監督が、多彩な策で強豪を撃破していく「GIANT KILLING(ジャイアントキリング)」です。タイトルの意味は、格下チームが格上チームを倒す「大物食い」のこと。同作のヒットを受けて、「ジャイアントキリング」というワードがメディアでもよく使われるようになりました。
同作の1話は、日本代表のあの戦術を“先取り”したような、戦術の重要性を教えてくれるエピソードがあります。採用した理由、その後の狙いまでキチンと語られているのがポイント。ドイツ代表やスペイン代表の試合を見て熱狂した人なら、実際の試合とマンガで描かれていることがかぶるシーンもあるでしょう。同作を読めば、監督が試合に与える影響だけでなく、選手間の意思疎通の重要性、選手の起用方法、監督と選手の考え方の違い、試合の流れなどについて、考えるきっかけになるのではないでしょうか。
★ジャイアントキリング(1話74ページ試し読み、2話以降の続きもあり)
◇ポジショニング・コーチングの重要性も
続いては、若手を育成するユースを舞台に、サッカー少年が成長していく「アオアシ」です。同作のポイントを挙げるとすれば「ポジショニング」の重要性。主人公はFWからDF(サイドバック)にコンバートされ、戦術の重要性を理解していきます。周囲との連携に重きを置き、相手に指示する「コーチング」の力も教えてくれる作品です。
ポジショニングは、瞬時に変わる戦況を理解・判断し、最善手を打つ対応力とも言い換えられます。身体能力、技術、思考力がハイレベルでそろい、チームの意思が一つに統一されてこそ。サッカーは肉体的に疲れますが、頭脳も疲れることが分かるのではないでしょうか。
◇選手の歩き方で差がある?
最後に、アマチュアチームが、プロチームも参加する日本最高峰のカップ戦「天皇杯」の制覇を目指す「フットボールネーション」です。同作は、テクニックやポジショニングなどのプレーはもちろんですが、体幹や筋肉にも触れているのがポイント。フィールドでの選手の歩き方の違いなども取り上げており、うんちく(解説もの)が好きな人にも面白く、実生活にも取り入れたくなるようなことも描かれています。
同作を読めば、スタープレーヤーの立ち姿やキックのフォームが気になるかも。情報の密度がありすぎるかもしれませんが、読んでおくといろいろな気づきができるのではないでしょうか。
★フットボールネーション(1巻分217ページ・期間限定の試し読み)
◇見える景色が変わるかも
挙げたサッカーマンガに共通するのは、常識を疑い、考えることの重要性を説いていることです。もちろん、エンタメとしても面白いのはいうまでもありません。
「キャプテン翼」が人気となってサッカーのブームが到来し、その後日本にプロサッカーができました。Jリーグの誕生から30年、サッカーマンガも質量ともに増えました。言い換えれば、多様なサッカーの見方があるわけで、日本にサッカーが文化として根付いているのです。
ワールドカップの準決勝を見る前に、これらのマンガを読んでから観戦してみると、見える景色が変わるかもしれません。