【秋田県大仙市】夜空に駆ける花火師たちの夢!大曲の花火がさらに楽しくなる『はなび・アム』とは?
館内の花火シアターが迫力満点!「大曲の花火」の前にぜひ立ち寄りたい『はなび・アム』とは?
故郷の夜空を舞う、夏の終わりの夢花火。今年も大曲の街にあの日がやってくる。そう、全国花火競技大会「大曲の花火」だ。
個人的なことから書くと以前私の姉夫婦が、花火の会場にほど近いアパートに住んでいた。なので毎年8月最後の土曜日は、家族で姉夫婦の家に花火を見に行くのが、我が家の恒例行事だった。
おかんの作ったいなり寿司片手に、見上げる夜空。歩行者天国になる大曲の街。ついでに激混みする会場のトイレ。そんな混沌と混乱と狂熱をもたらす超ビッグイベント『大曲の花火』だが、その前にぜひ立ち寄りたいスポットがある。花火伝統文化継承資料館『はなび・アム』だ。
2018年の夏にオープンした『はなび・アム』は、1階と2階が生涯学習活動エリア、3階と4階が花火伝統文化継承エリアとなっている。今回は4階のおススメコンテンツをメインに紹介していくので、ぜひチェックしてほしい。
「大曲の花火」のルーツを辿りながら、街の景色を展望!【展望展示ホール】
「大曲の花火」の歴史は古く、1回目の大会が開催されたのは明治時代まで遡る。大正4年に行われた第4回からは早くも全国規模の大会に成長。その後やってきた未曾有の凶作や太平洋戦争、そして近年のコロナ禍。そんな目まぐるしく変わる社会情勢の中で、有志によって守り続けられてきたのがみんな大好き大曲の花火だ。
……と、そのルーツを辿りつつ、ついでに4階から大曲の街並みを展望できるのが展望展示ホールだ。
展望展示ホールには、花火玉のレプリカも展示されている。花火玉は「号」という単位で呼ばれ、写真の20号玉が打ちあがる高さは約450メートル。東京タワーもエッフェル塔もビックリのスケール感だ。
自分がデザインした花火がスクリーンに打ちあがる!【はなび創作工房】
花火玉の模型を使って、自分がデザインした花火の打ち上げ体験ができるのがはなび創作工房だ。
カラフルな丸玉を隣にある円板の穴に並べてスタートボタンを押すと、奥のプロジェクターに花火が映る。……という仕掛けだが、これは大人がひとりでやっていると目の前に映る鮮やかな花火とは裏腹に、なぜだかちょっぴり切なくなるため要注意だ。
花火の臨場感をガチ体験しつつ、花火師の舞台裏をチラ見!【はなび・シアター】
個人的にこの施設で最もおススメしたいのが、このはなび・シアターだ。2023年8月現在の上映タイトルは『大曲の花火』と『空の脚本』の2本立て。共に上映時間約10分のミニシアターとなっている。
大曲の花火(上映時間8分)
2018年に行われた第92回大会のダイジェスト映像だが、こいつがマジで侮れない。映像もさることながら、その音の迫力がハンパない。花火が弾けるときのリアルな音が胸に響く。まるで会場にいるかのような臨場感。『はなび・アム』を訪れた際は、ぜひ体感してほしいコンテンツだ。
空の脚本(上映時間10分)
こちらは花火師の舞台裏に迫ったドキュメンタリー映像だ。先述した『大曲の花火』に比べて観客は少なかったけれど、個人的にコレも面白かった。私たちにとって大曲の花火は、いわゆるひとつの夏のイベントだ。だが一方では、ガチとガチがぶつかり合う最高峰の競技、それぞれの情熱をかけた花火師たちの熱闘甲子園である。
これは圧巻!大曲高校の生徒による書道パフォーマンスが激アツ!
最後に紹介するのが、現在『はなび・アム』の別館に展示されている大曲高校書道部による書道パフォーマンスだ。
毎年高校生による全国大会が開かれるなど、人気急上昇中の書道パフォーマンス。
「革命を起こせ」「いつでも飛べる」「全部ぶっ壊せ」
……って、若干思想は強めだが、若者たちのそのエネルギッシュさは現場の花火師にも負けず劣らずだ。
夜空に駆ける花火師たちの夢。その一瞬の煌めきを見逃すまいと私たちは夜空を見上げる。今回で95回目となる大曲の花火だが、その歴史と伝統、そして花火師の熱い想いを知ると、また違った何かが見えてくる。
まもなくやってくる、大曲がもっとも熱くなる一日。……と、その前に『はなび・アム』に足を運んで、ちょっぴり花火の予習などはいかがだろうか。
【施設情報】
花火伝統文化継承資料館 はなび・アム
所在地:秋田県大仙市大曲大町7-19
利用時間:花火伝統文化継承エリア(3階・4階)9時~16時、生涯学習活動エリア(1階・2階)9時~21時
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝休日にあたる場合は、翌平日)、年末年始
入館料:無料
問合せ先:0187-73-7931