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ゾンビが人間のオンナの子に恋をした!「ウォーム・ボディーズ」

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
映画「ウォームボディーズ」
映画「ウォームボディーズ」

【試写会レビュー】

もしも、自分の体の自由がまったく効かなくなったら…

言葉がうまく喋られなくなったら…

恋する気持ちを届けることができなくなったら…

「ウォームボディーズ」は、そんな切ないオトコの子の映画だ。

ただ、オトコの子は、非常に大きな大きな問題を抱えている。

そのオトコの子は、なんとゾンビだったから…。

世紀末映画のゾンビのラスト9割は、かすかな望みをかけて明日へと生き伸びようとするシュールな終わり方なのだが、この映画はかなり趣向が違う!

ハッピーエンドなゾンビ映画なのだ。しかも音楽が満載。また、その音楽が胸がキュン!とするシーンばかりだ。

いびつな姿になってしまった自分に嫌悪しながらも、ソンビは、ゾンビとして生きていかなければならない。

そんな主人公「R」。

ゾンビのコミュニティの中での生き方と、前世の自分の趣味や生活との対峙。

そんな時の狩りのまっただ中に、まさかの出会いがあった。

壮絶な出会いの中で彼がとった行動は…なんと、お持ち帰りだった!

そんな、ゾンビ・コミュニティの中に人間のオンナの子をお持ち帰りしなくても…(笑)

そして、何よりも人間のオンナの子に、胸キュンとなったゾンビは、次にどんな行動を取るのか?

恋愛の前に食欲は消え失せ、彼女を守ることに彼は夢中となる。

ところが、人間のオンナの子、ジェシーは、そんな「R」の気持ちは、なかなか理解できない。逃げ出したくて仕方がない。しかし、すぐに他のゾンビに囲まれてしまい…あわや!!!。そんな時に、毎回、Rに助けられる。

いくら彼女の事を想い、助けたり、プレゼントをしても、気持ちは受け入れられない。なぜなら、自分はキモいゾンビなんだから…。しかも、彼女の最愛の…xxx。

ゾンビ映画の視点は常に、人間側にあったけれども、この映画はゾンビ側の視点で人間を見つめる。

ゾンビになったら、大変だなぁ…というシチュエーションをコミカルに表現してくれる。

ロミオトジュリエットを彷彿させるシーンもあるが、住む世界の違いといえば、これほど強烈なロミオとジュリエットはないだろう。

あまり、書くとネタバレになるので、書けないが、ゾンビ映画に新たな法則性をもたらした映画でもあるので、ゾンビ好きには必見の映画だ。

「ショーン・オブ・ザ・デッド」や「ゾンビランド」が好きな人にはなおさらだ!

彼女との過去の想い出は誰の脳にあるのか?

ゾンビは死ぬまでゾンビのままなのか?

この映画は、新たなゾンビの法則を造った。 走るゾンビから、恋するゾンビ、まだまだゾンビは進化を続ける!

公開は今週末からだ!

2013/09/21全国ロードショー

ウォーム・ボディーズ公式サイト

http://dead-but-cute.asmik-ace.co.jp/

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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