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内田篤人、“好敵手”リベリーのW杯欠場を語る。

河治良幸スポーツジャーナリスト

ブラジルW杯で最も注目される選手の1人だった、フランス代表フランク・リベリーのW杯欠場が決まってしまった。

腰の負傷を抱えていたリベリーは、復帰に向けた自主トレの最中に故障が悪化したという。彼の欠場はフランス代表のみならず、世界のサッカーファンを悲しませるニュースだ。

日本代表の内田篤人もリベリーのW杯での活躍を楽しみにしていた1人。シャルケに所属する内田は過去にバイエルン戦で何度もマッチアップし、「ブンデスリーガ最高レベルの選手」とリスペクトしていた。もちろん日本とフランスが共に勝ち上がれば、代表チームでの対戦が実現したはずだ。

ザンビア戦後、この件に関して内田に質問すると、すこし間を置いて回答が返ってきた。

「なんだろ、やっぱり4年に1回の大会でケガとかコンディションとか、照準を合わせるのはなかなか難しくて・・・いろんな国でもケガして招集を外れる選手がたくさんいるし、俺もどっちかというとそっちよりだったから」

そう語る内田も今年の2月に右太ももを負傷し、シーズン後半戦の欠場を強いられた。「ケガは友達みたいなもの」と明るく努める内田だが、再発の危険と隣り合わせの中でリハビリを続け、W杯が目前に迫ったタイミングで復帰した。

周囲の不安をよそに、キプロス戦からの3試合は全てに先発出場した内田はパフォーマンスの向上を視野に入れながらも、「普通にやれているだけで助かっているのはあります」と語る。

そんな内田にとって、W杯での活躍が期待された選手たちの欠場は他人ごとではないが、“好敵手”のリベリーに関してはなおさらだろう。

「かわいそうな気もするし、フランスにとっても痛いですよね。あれだけの選手だから。W杯でリベリーの姿を見てみたかったけど」

そのリベリーをはじめ、各国の主力級の選手たちのW杯欠場のニュースが相次いでいるが、だからこそ無事に本番を迎えた選手たちのベストパフォーマンスを願うばかりだ。

スポーツジャーナリスト

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。 『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

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