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美しすぎる「メイクの達人」にして超人気インフルエンサーの“PONY”の知られざる素顔

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
(写真提供=PONY)

動画共有サービスYouTubeが韓国でも凄まじい勢いで普及している。

韓国のモバイルアプリ分析業者「wise app」の統計によると、5月に利用時間がもっとも多かったスマホアプリはYouTubeだったという。

Android利用者3043万人がYouTubeを利用した時間は、291億分。すべての動画アプリの利用時間を合わせると341億分で、YouTubeはそのうち85.6%という圧倒的な割合を占めたという。

特に10〜20代の若者の利用が多いことは以前も紹介したが、ここ2年間、40代のYouTube利用時間は4倍、50代以上は10倍ほど増えたというから、その加速ぶりに驚きだ。

実際、YouTubeで活躍するユーチューバーたちの存在感と影響力はますます高まっている。今や“芸能人顔負け”は疎か、芸能人がユーチューバーに転身するケースも増えているほどだ。

(参考記事:YouTubeこそ新天地!? K-POPアイドル・芸能人が次々とユーチューバーになる理由

そんな韓国のユーチューバーの中で、女性たちから圧倒的な支持と人気を得ているのがメイクアップ・アーティストの“PONY”(ポニー)である。

『PONY Syndrome』のチャンネル登録者数は、2018年6月現在の時点で402万人超え。Instagramのフォロワー数も520万人以上。彼女のメイク・テクニックやライフスタイルに影響されるファンも多い。まさに“超人気インフルエンサー”だ。

(参考記事:【見れば納得】年収は1億円以上!? 超大物ユーチューバー、PONYとは誰?

昨今、韓国でもInstagramやYoutubeなどで多くのフォロワーを持つ人たちが“インフルエンサー”と呼ばれ、韓国には一般人でありながら芸能人顔負けの人気を博すインフルエンサーが多い。

例えば、コミュニケーションアプリ「LINE」のUIデザイナーだったコ・ヒョジュさんも、“インフルエンサー”として成功したケースだろう。

彼女は、趣味で始めたロングスケートボードの動画がInstagramとYoutubeにアップしたライディングの動画が注目を集め、韓国ではロングスケートボード・ブームの火付け役となった。

では、PONYはどうか。彼女は人気ユーチューバーにして“インフルエンサー”であることをどう自覚し、今後はどんな夢を描いているのだろうか。連続インタビューの最終回は、日本についても聞いた。

――PONYさんは韓国でもっとも成功したユーチューバーのひとりでもありますが、ユーチューバーになる前と比べて、何か変わったことはありますか?

「チャンネル登録者が増えるということは、私を見ている目が増えるということです。昔は、何も気にせず自分の個性が現れるメイクや発言をしていましたが、最近は“みんなが好きなことをしてみようかな”と思いはじめました。

発言に関してもいろいろ気をつけるようになりましたね。ある意味、個性が潰されているとも言えますが、成長するきっかけにもなりました。

また、いろんな国について知ることができたのもいい変化ですね。昔は井の中の蛙のような感じでしたが、世界各国からコメントをもらうようになってからは知識が増え、思考の幅も広がりました」

――人気ユーチューバーでもありますが、メイクアップ・アーティストとしても活躍されています。長年、メイクという分野に携わりながら心得たPONYさんの哲学があれば聞かせてください。

「よくこの質問をされるのですが、答えはいつも同じです。メイクは、決して必須ではありません。私にとってはアクセサリーのような存在ですね。

アクセサリーなんて付けなくたって生活にはなんの問題もありませんよね? ただ、アクセサリーで個性を表現し、それがキッカケになって自信が芽生える人がいるように、メイクもアクセサリーと同じ役割を担っていると思います。

また、常に肝に銘じているのは“初心を忘れない”ということ。ブログ時代から私のメイクを見てくださる方々も多いので、当時の雰囲気を維持しようと努力しています」

――韓国女性たちは、日本の女性よりも高い美意識を持っていると言われています。毎年発表される「世界で最も美しい顔100人」にも、かならず韓国のアイドルや女優が選ばれています。PONYさん自身は韓国女性として、美意識についてどんな考えを持っていますか?

「韓国が、美意識が高いのは事実です。ただ、“人よりも可愛く見られたい”、“今日は特別な感じを出したい”と思う人はどの国にもいるんじゃないでしょうか。

そのために自分を磨くことは努力の一環。その努力は個人が選んだものですから、尊重すべきだと思います」

――ところで、日本のファッションや文化にも興味があるようですね。動画を拝見したら、日本で撮影されたようなものありました。

「日本にはものすごく関心を持っていますよ。日本に行ったら、街で人々のファッションやメイクを注意深く観察します。

最近驚いたのは、眉毛も整えないくらい自然でナチュラルな、本来の美しさを強調するメイクが流行っていたこと。日本のファッション誌もよく拝見しますが、すっぴん風のメイク紹介が多くて私も真似したいと思いました」

――日本では、やはりコスメショップ巡りが中心になるんでしょうか。

「コスメショップというか、ドン・キホーテですね(笑)。例えば4泊5日の滞在だとすれば、4日は毎日ドンキに行きます。

コスメはほぼ全種類買っていますが、絶対買うアイテムは“つけまつげ”。好きなブランドのものをかならず大人買いするんです。

そしてお菓子とか、スイーツとか、食べ物もたくさん買います。日本旅行の拠点はいつも渋谷ですね。原宿や表参道も好きですが、最先端の流行を感じられて、好きなショップが密集した渋谷が好きです。あ、MEGAドンキもありますしね(笑)」

(参考記事:韓国人観光客が必ず買っていく「日本の商品」BEST 6をご紹介!!

韓国を代表する美容系ユーチューバー、PONY。「東京の街で人々を観察する」という言葉から、親近感も覚えた。「YouTubeを超えていろんな分野に挑戦したい」という彼女の今後を、温かく見守りたい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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