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前線停滞で日本海側中心に激しい雨に…今週の天気と気温の境目は?熱帯低気圧の行方は??:気象予報士解説

植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ
7日9時の予想天気図(気象庁HPを元に作成)。季節を分ける前線が本州付近にかかる

7日は日本海側を中心に雨が降るところが多く、能登半島を含め北陸でも雨脚が強まり、特に能登は豪雨被害後で一番の大雨になりそうです。
雨の原因となる秋雨前線の北側では涼しい空気が入って日中でも肌寒くなる一方、関東など前線の南側では再び25度を超えるところが多くなる見通しです。

ただ今週は中頃以降、全国的に気温が下がり、西日本でも最低気温が20度を切ってくる予想。同時に一気に晴れるエリアが拡大しそうです。
ジェットコースターのような今週の気温変化と雨の見通し、そして南海上の熱帯低気圧の行方も含めて気象予報士が解説します。

7日は日本海側中心に雨、夕方以降は東北も本降りに

7日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。
7日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。

7日は停滞する秋雨前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、朝のうち九州北部で激しい雨が降るほか、日中にかけて次第に北陸でも雨が激しくなるでしょう。
夕方以降は東北で、太平洋側も含めてバケツをひっくり返したような雨となりそうです。
関東以西の太平洋側では雨がやんでいる時間が長い見込みですが、それでもところどころで降るため傘が手放せないでしょう。特に夜は太平洋側でも激しく降るところが出てきそうです。

気温は前線の南北で対照的となり、北側に入る北陸や山陰は最高気温でも20度程度なのに対し、南側に入る東京・名古屋・大阪などは25度を超えて、場所によっては30度近くなるところも。
太平洋側は朝晩と日中の気温差が大きくなるので服装でうまく調節しましょう。

今週は10日(木)頃に天気の境目/熱帯低気圧は台風へ

週間予報(気象庁HPを元に作成)。
週間予報(気象庁HPを元に作成)。

今週前半は秋雨前線の影響で曇りや雨のところが多いものの、10日(木)頃に発達した低気圧が通過したあとは一気に前線が南下し、11日(金)以降は高気圧に覆われ晴れるところが多くなりそうです。
晴れると日中の気温は上がりますが、大陸育ちの乾いた空気に包まれるため爽やかな陽気で、朝晩の肌寒さも続くでしょう。

そして冒頭の天気図に現れた南の海上の熱帯低気圧は、8日(火)朝までに台風となり、小笠原諸島の東の海域へ向かう見通し。小笠原よりも北のエリアでは偏西風に流されてさらに東へ離れて行くため、本州付近には近づかない見込みです。
ただ、10月もまだ台風シーズンと言えますので、引き続き最新の情報はチェックしておきましょう。

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気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。

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