皐月賞の傾向とポイント 大混戦!本命馬不在、道悪と混沌ムード
当日11時現在、単勝10倍台までが10頭の大混戦!
16日、中山競馬場で第83回皐月賞(GⅠ)が行われる。
今年は当日11時現在、単勝1桁台が6頭いる大混戦ムードだ。出走馬にホープフルSや朝日杯を勝ったGⅠ勝ち馬もいない。馬場は雨の中の重馬場だった昨日と比べると降雨がない分、回復傾向にあるものの前日とは変わらぬ重馬場スタートとなっている。
人気も割れている。JRA発表の前日オッズは下記のとおり。
4枠7番 ファントムシーフ 4.5倍
1枠1番 ソールオリエンス 5.3倍
7枠15番 ベラジオオペラ 6.4倍
8枠16番 タッチウッド 8.0倍
3枠5番 フリームファクシ 10.9倍
7枠14番 タスティエーラ 11.3倍
4枠8番 トップナイフ 12.2倍
6枠11番 シャザーン 14.7倍
6枠12番 ダノンタッチダウン 16.8倍
5枠9番 ホウオウビスケッツ 21.9倍
8枠18番 マイネルラウレア 25.6倍
2枠4番 ショウナンバシット 41.4倍
1枠2番 ワンダイレクト 69.7倍
3枠6番 ウインオーディン 79.5倍
8枠17番 メタルスピード 88.0倍
7枠13番 グラニット 101.5倍
2枠3番 グリューネグリーン 110.8倍
5枠10番 ラスハンメル 136.7倍
このあと、当日11時の段階では、フリームファクシとタスティエーラの2頭も単勝1桁台に加わり、計6頭が上位人気を分け合っている。さらに前日は単勝10倍台までは計9頭だったが、当日11時の段階では逃げ馬のホウオウビスケッツも人気をあげており、計10頭に増えている。
単勝オッズの分布からも、2023年皐月賞の大混戦ぶりがうかがえる。
1番人気はルメール騎乗のファントムシーフ
混戦ムードの中、前日より1番人気を維持しているのは共同通信杯を勝ったファントムシーフだ。父の父のDansiliと、母の母のPromising Leadの血統構成がとてもよく似ている(父はDanehill、母の親がKahyasi×Keraliと同一)という超近親配合が特徴的だ。
皐月賞と同じ中山芝2000のホープフルSでは前が詰まったこともあり4着に終わったが、好メンバーがそろった共同通信杯を勝ち抜いており、上位に推されているのだろう。
■2023年共同通信杯(GⅢ) 優勝馬ファントムシーフ
2番人気は2戦2勝のソールオリエンス
2番人気に推されているのは京成杯を勝ったソールオリエンス。土つかずの2連中で鞍上は若手のホープ横山武史騎手だ。調教の内容も素晴らしく、最終追い切りでは馬なりで11秒前半の好時計を叩きだしている点も頼もしい。
ただし、気になるのはやはりキャリアの浅さ。京成杯では左にもたれながらも勝ちきるポテンシャルの高さは魅力だが、まだまだ粗削りで完成するのは先だろう。それでもじゅうぶんにGⅠを勝ちきる可能性はある。
■2023年京成杯 優勝馬ソールオリエンス
筆者が注目するのはスプリングSの1着2着馬
この大混戦の中、筆者が注目するのは前哨戦のスプリングS(GⅡ)の上位馬だ。
いまの中山の馬場は先行馬が内から2頭ほどあけたあたりと、差し馬が真ん中より外目が延びているように見受けられる。スプリングSで先行したホウオウビスケッツが通って2着に残り、差して1着になったべラジオオペラが走った付近だ。
毎年、皐月賞は中山開催の最終重賞で馬場も傷みがみられることが多く、さらに馬場特性から前残りはじゅうぶんに警戒しておく必要がある。一方で最近の中山競馬の傾向から、中央から外あたりから先行勢をまとめて差し切るシーンは多くみられ、べラジオオペラのような操縦性の高い馬は器用に立ち回れるのではないか、と感じる。
全体的に人気が割れている分、騎手が人気の決め手になっている印象もあるので、筆者は若手で力のある田辺騎手に賭けてみたいと考えた。
さて、大混戦を制するのは誰だ?第83回皐月賞の発走は午後3時40分だ。
■2023年スプリングS(GⅡ) 優勝馬べラジオオペラ