韓国トム・キムがゴルフ場のロッカーの扉を破壊?「優勝を逃した自分に腹が立った。反省している」
米ツアー通算3勝のトム・キム(本名:キム・ジュヒョン)が、試合後にゴルフ場のロッカールームの扉を壊し、その後、謝罪するというニュースが韓国で大きく報じられた。
これはどういうことなのか。先週行われたDPワールドツアー兼韓国男子(KPGA)ツアーの「ジェネシス選手権」(10月24~27日、ジャック・ニクラスGCコリア)の最終日にトム・キムは、アン・ビョンフンに1打リードで最終18番を迎えていた。しかし、バーディを奪ったアン・ビョンフンに対し、トム・キムはパー。通算17アンダーで並び韓国選手同士のプレーオフとなった。
18番(パー5)で行われたプレーオフで、トム・キムは2打目をグリーン前のバンカーアゴのラフへ。3打目もグリーンをオーバーし、4打目でようやくグリーンに置いたが、パーパットを外した。一方、アン・ビョンフンはバーディで締めて優勝を手にした。
グリーン上ではトム・キムは、アン・ビョンフンの優勝に「おめでとう」と声をかけたそうだが、その後、優勝の流れをつかみきれなかった悔しさと自身への怒りから、ロッカーの扉を壊してしまったという。
扉を壊したこと認めてKPGAに謝罪
この件についてトム・キムは韓国メディアに向けて、正式な謝罪と当時の状況の説明をしている。
「優勝した(アン)ビョンフン先輩にお祝いの言葉をかけて、ロッカールームに戻ってきたが、選手として優勝のチャンスを生かし切れなかった自分自身にとても腹が立った。自分でも感情を抑えきれず、ロッカーの扉を強く開いたら外れてしまった。拳で叩いたり、蹴ったりは絶対にしていない。扉が壊れたのを確認して、KPGA関係者に連絡し、修理費用などを補償する意思を明確に伝えた」
さらに続けてこう謝罪した。
「久しぶりに国内ファンの前で試合をしたにもかかわらず、このような出来事が起こってしまい申し訳ない気持ちでいっぱいです。選手として反省し、より成熟することを約束します」
この件についてゴルフ場側は「強い力で扉の接触部分が壊れたものの、扉が変形したり損壊したわけではないので、すでに修理は終わっています」と説明。KPGAもすでに経緯を把握しており、「賞罰委員会を開く計画もない」とのことだ。
過去大会では罰金や出場停止の例も
ただ、一般紙「朝鮮日報」によると「マナーが重要というゴルフの試合で、選手が自ら怒りを抑えられず、自分のクラブを折ったり、キャディバッグを足で蹴るなどのシーンを見かけることはある。2020年の「ジェネシス選手権」ではイ・スミン選手が2日目の最終18番で短いバーディパットを外してパターを壊した。当時、KPGAは罰金600万ウォン(約66万円)と社会奉仕命令60時間、1試合出場停止を課した」とのことだ。
今回はトム・キムに罰は科されない動きのようだが、米ツアーで活躍する選手の行動にショックを受けた韓国ゴルフファンも少なくない。というのも韓国でトム・キムは、日本の松山英樹のような存在でもある。これからは結果でファンの期待に応え、名誉挽回といきたいところだ。