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咬ませ犬を沈め15勝目を挙げた20歳

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Esther Lin/SHOWTIME

 15勝(10KO)1敗。

 戦績だけ見れば、有望な若手ということになろうか。先日、4回KO勝ちで15度目の白星を挙げた20歳のヴィト・ミエルニッキ・ジュニア。アマチュア選手としてリングに上がっていた2011年、2012年、2014年、2015年に全米王者となり、2017年、2018年にはウエルター級全米代表にも選ばれている。

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 確かにアマとしてはトップ選手だったミエルニッキだが、2021年4月17日、プロ9戦目で安牌とされた相手に8回判定負け。それ以降、過保護なマッチメークが目立つ。

 昨年10月にWBAコンチネンタルアメリカ・スーパーウエルター級タイトルを手にしたが、今回もまた、ゴング前から勝敗は見えているようなファイトだった。

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 彼がプロ入りを決めたのは、スペインで開催された国際大会で納得のいかない判定負けを喫したからである。「自分はプロ向きだと常々感じていた」と語っているが、いかに若いといっても、そろそろ骨のある強豪と拳を交えないと、伸びるものも伸びないのではないか。

 必ず勝てる相手との試合だけをこなして、ジャーボンテイ・デービスに屠られたライアン・ガルシアと同じような道を進んでいるような気もする…。メッキはいつか剥がれる。

 ミエルニッキはどんなキャリアを歩むのか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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