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週末の羽田空港、Go To除外解除の回復傾向で駐車場も満車表示。ホットコーヒーの機内提供も各社再開へ

鳥海高太朗航空・旅行アナリスト 帝京大学非常勤講師
満車表示が出ている羽田空港の各駐車場(10月17日午前8時頃、筆者撮影)

 Go Toトラベルの東京除外(東京都発着)が10月1日に解除され、更に従来からの35%割引に加えて、15%の地域共通クーポンの発行も開始されたこともあり、徐々に国内旅行も回復傾向になっている。

10月の週末土曜日の朝、保安検査場に搭乗者が並ぶ光景も

 10月から東京都民もGo Toトラベルでお得に旅行に出かけられるようになってから約2週間半が経過した10月17日(土)の朝、羽田空港にも全国各地へ出発する旅行客の姿が多く見られ、保安検査場前には9月の4連休(20日~23日)ほどではないが、検査場の一部では人が並んでいる姿も見ることができた。

10月17日午前8時30分頃、保安検査場に並ぶ国内線利用者(ANA便が出発する羽田空港第2ターミナル保安検査場前で撮影。以下全て筆者撮影)
10月17日午前8時30分頃、保安検査場に並ぶ国内線利用者(ANA便が出発する羽田空港第2ターミナル保安検査場前で撮影。以下全て筆者撮影)
少しずつではあるが回復傾向にある国内線。空港に人が戻りつつある(第2ターミナルの出発ロビーにて撮影)
少しずつではあるが回復傾向にある国内線。空港に人が戻りつつある(第2ターミナルの出発ロビーにて撮影)
10月17日午前8時40分頃、JALが出発する第1ターミナルでも多くの人が見られた
10月17日午前8時40分頃、JALが出発する第1ターミナルでも多くの人が見られた

土曜の朝、駐車場も「満車」表示が目立つ

 羽田空港の混雑具合を示す1つの判断基準が駐車場の混雑具合だ。筆者は朝9時過ぎのスターフライヤー便(北九州行き)を利用する為に第1ターミナルへ自家用車で向かったが、朝8時の段階で第1ターミナル直結の「P1」「P2」が共に満車、また第2ターミナルに直結している「P3」も満車になっており、同じく第2ターミナル直結の「P4」の別館(P4に限って本館・別館がある)でようやく駐車することができた。「P1」の駐車場係員に話を聞いたところ朝は出庫する車が少ないので40分以上待つ可能性があるとのことだった。

第1ターミナルは全て満車で、第2ターミナルでも左奥の「P4」別館だけが駐車可能だった
第1ターミナルは全て満車で、第2ターミナルでも左奥の「P4」別館だけが駐車可能だった

 4月の緊急事態宣言の発令以降、週末でも空車どころかガラガラの状況が続き、9月の4連休で約半年ぶりの満車表示となったが、10月に入ってからも週末を中心に国内旅行者が戻りつつあることを実感した。

 ただ国際線の大幅減便が継続していることから、仮に第1ターミナルや第2ターミナル直結の駐車場が満車になっても第3ターミナル(旧国際線ターミナル)の駐車場「P5」には駐車スペースに余裕があることから、週末などに自家用車で羽田空港を利用する場合には時間に余裕を持って空港へ向かうことをおすすめしたい。

Go Toを活用し、10月も週末を中心に増加傾向

 ANA(全日本空輸)、JAL(日本航空)共に札幌、福岡、沖縄行きなどを中心に満席の表示となっており、3日前や前日など直近で購入する場合の航空券価格も上昇傾向に転じている。筆者が利用したスターフライヤーの北九州行きも8割以上の搭乗率だった。

 新型コロナウイルスの新規感染者数も爆発していない状況に加えて、各国の入国制限や日本帰国時の14日間の自主隔離が求められることで海外旅行が難しい状況が続いているなかで、都民をはじめ首都圏在住者が国内旅行に出かける人が増えている。

 1週間前にGo Toトラベルにおける大手旅行予約サイトの多くが給付額を使い切ってしまい(もしくは使い切る直前)、追加の給付がスピーディーにされなかったことで一時的に割引を制限するという事態に発展したが、明らかに10月に入ってからの予約が東京都民を中心に急増しており、10月・11月の秋の行楽シーズンの週末に加えて、年末年始の国内旅行予約も堅調に推移し、沖縄のリゾートホテルや九州の温泉などで既に満室になっているホテル・旅館もある。

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筆者が利用した9時15分発のスターフライヤー北九州行きも8割以上の搭乗率だった(機内にて撮影)
筆者が利用した9時15分発のスターフライヤー北九州行きも8割以上の搭乗率だった(機内にて撮影)

ANAやJAL、ホットコーヒーの提供も徐々に再開

 10月に入って、国内線のドリンクサービスにも変化が出てきている。3月以降、スターフライヤーではホットコーヒーの提供を継続していたが、その他の航空会社ではホットコーヒーなど温かいの飲み物の提供を一時中止していたが、JALは10月1日から既にホットコーヒーとスープの提供を再開し、ANAも10月20日からホットコーヒーとスープの提供を再開する。

 また、コーヒーが美味しいことで人気のスターフライヤーは、ホットコーヒーの提供はコロナ禍の間も継続していたが、ホットコーヒーと共に提供されるチョコレートの配布を一時中止していた。しかし、チョコレートの配布を10月1日以降に再開し、コロナ前のようにホットコーヒー&チョコレートという組み合わせで機内での時間を楽しめるようになった。

スターフライヤーの機内無料サービスで人気のタリーズのホットコーヒーとチョコレートの組み合わせが10月1日から復活した(機内にて撮影)
スターフライヤーの機内無料サービスで人気のタリーズのホットコーヒーとチョコレートの組み合わせが10月1日から復活した(機内にて撮影)

 このように少しずつではあるが、国内線はコロナ前に戻りつつある。今後も新型コロナウイルスの新規感染者数の推移次第で旅行を取りやめるケースも出てくることが想定されるが、Go Toトラベルを活用し、来年(2021年)1月末まで国内旅行に出かける人が更に増えることになりそうだ。

航空・旅行アナリスト 帝京大学非常勤講師

航空会社のマーケティング戦略を主研究に、LCC(格安航空会社)のビジネスモデルの研究や各航空会社の最新動向の取材を続け、経済誌やトレンド雑誌などでの執筆に加え、テレビ・ラジオなどでニュース解説を行う。2016年12月に飛行機ニュースサイト「ひこ旅」を立ち上げた。近著「コロナ後のエアライン」を2021年4月12日に発売。その他に「天草エアラインの奇跡」(集英社)、「エアラインの攻防」(宝島社)などの著書がある。

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