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与四死球率0.837! ホークス山田大樹が”大化け”できたワケとは

田尻耕太郎スポーツライター

タマスタ初ナイター 上林が3打点

5月27日、タマスタ筑後での初のナイター開催が行われた。ウエスタン・カープ戦は、ホークスが9対2で快勝した。

初ナイターに2311人が来場した
初ナイターに2311人が来場した

【5月27日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 2311人】

広島     002000000 2

ソフトバンク 20502000× 9

<バッテリー>

【C】●薮田(1勝2敗)、小野、飯田、一岡――船越、白濱

【H】○山田(4勝0敗)、柳瀬、嘉弥真――拓也

<本塁打>

なし

<戦評>

ソフトバンク打線が序盤から攻勢。初回に拓也のタイムリーなどで2点を先制すると、3回には一挙5得点。拓也の押し出し四球、李杜軒と金子圭の連続タイムリー、上林の犠飛で得点を重ねた。5回にダメ押し点は上林の2点内野安打。金子圭の好走塁も光った。先発の山田は7回2失点で今季負けなしの4勝目をマークした。

広島は薮田が3回で6四球を与える乱調が響き7失点。3回に梵のタイムリー、ルナの犠飛で一時同点としたが、4回以降は2安打のみと元気がなかった。  (了)

山田大樹の与四死球率はプロ球界トップレベル!

好投を続ける山田大樹
好投を続ける山田大樹

山田大樹の好投がまた光った。7回2失点で今季4勝無敗。防御率は1.67と好成績をキープしている。

好調の要因は制球力。驚異の与四球率だ。今季43イニングを投げて4四球(死球0)のみ。与四死球率(1試合完投した場合に与える四球の割合)は0.837になる。

1を割っているのは、12球団の1軍を見渡しても巨人の菅野智之だけ(0.729、74回で6四死球)。昨年までは制球難に苦しんでいた(昨季ウエスタンで3.556。68.1回で27四死球)左腕だけに驚きの大化けだ。

山田「腹をくくって投げる」

しかし、山田は言う。

「コントロールが良くなったとは思っていません。考えすぎても、結局は一緒だなと思うようにしました。余計なことは考えない。今年でプロ10年目。腹をくくって投げるくらいのつもりでやってます」

水上善雄2軍監督も「ずっといい投球を続けている」と高評価し、「1軍の枠の問題はあるが、いつでも推薦できる状態」と太鼓判を押す。また、「コントロールもいいが、ここ最近は球速も出てきた。昨年や今年の初めは135キロ前後だったが、今日も137,8キロ出ていた。さらに上がっていって、キレも増してくれば本当に楽しみです」と話した。

ブルペンよりも遠投で球速UP

山田は「最近は間隔があくことが多かった。でも、ブルペンの回数を増やすのではなく遠投の回数を増やしました。ブルペンは1回、遠投は3回とか」

遠投は体を目いっぱい使って投げる。フォームの躍動感が増し、腕も自然としっかり振れるようになり、その効果が表れている。

同日、1軍は東浜巨が8回無失点の快投で、2位マリーンズを相手に1対0で勝利。首位の地力を見せつけるような完封勝ちだった。1軍先発争いはし烈だが、それでも山田はそこに割って入る準備とアピールが十分にできている。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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