催眠・催眠術にかかりやすい人とかかりにくい人の違い
こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。
私は催眠にかかりません。
名だたる催眠療法家の人に、幾人も会ったことがあるのですが、かかったことは1度もありません。でも、毎回、かかった振りはします。何故なら、かからないと、催眠療法家の面目を潰すようで申し訳ない…と思うからです。
正確に言うと、「かからない」という表現は、正しくないです。
「ほんの少ししかかからない」というのが、正確な表現かと思います。
私が催眠にかからない理由は、おそらく集中力がないからだと思います。
特に、音声だけだと、頭の中に勝手にいろんな雑念が沸いてきて、催眠療法家の言葉に集中できません。それで、催眠療法家の言っていることと全然関係のないことを考えたりしている私が、そこにいます。だから、かからないのだと思います。
「よく、そんなんで心理カウンセラーやっているなあ…」と自分でも思うのですが、私はクライアントの言葉を耳で聞いているわけではないのです。私は、クライアントの声と仕草と心と言葉の内容を、身体全体を使って聴いているのです。だから、クライアントの話を聴けるというか、クライアントを理解できるのだと思います。
ちなみに私は、音声しか情報がない電話カウンセリングが少し苦手です。
私は、クライアントの話を耳で聞いていない。身体で聴いている。これは、自分でも薄々気付いていたことだったのですが、あるセッションでハッキリ気付く事件があって、自分でもビックリしました。
事件とは、もう10数年も前のことですが、
クライアントがニコニコしながら、楽しかった出来事を話し始めたのですが、聴いていて、私は、全身が哀しみに包まれ、思わず「哀しい時は、泣いてもいいですよ」と応えたのです。そうしたら、クライアントは、ワッと堰を切ったように涙を流され、私はその時、「私は、クライアントの言葉を聞いているのではなく、クライアントの心を聴いているのだ」と思った次第です。
集中力がない私は、特に音声だけだと集中できない私は、
オーディオブックを聴くことが、ほとんどと言っていいほど出来ません。
聞いているうちに、いつも他ごとを考えてしまうからです。
そんな私ですが、読書は得意です。
つまらない文章でも、視覚から来る情報だと、しっかり集中することが出来ます。聴覚情報は集中して聞くことが出来ないが、視覚情報は集中して見ること読むことが出来る…というのが私の特徴です。
ここで、催眠にかかりやすい人の特徴を列挙したいと思います。
1.素直な人
2.集中力がある人
3.依存心が強い人
4.想像力が豊かな人
5.催眠を信じている人
6.催眠にかかったことがある人
上記の人が、催眠にかかりやすい人の特徴です。3だけが、ちょっと短所かなぁ…。
私(竹内成彦)は、
1.ものごとを少しだけ斜めに見る癖があるので、素直とは言えません。
2.集中力はあるほうですが、音声だけだとうまく集中することが出来ません。
3.依存心は強くないです。人に頼らないタイプです。
4.想像力はあるほうなので、これには当てはまりません。
5.催眠は信じているのですが、残念ながら…です。
6.催眠にはかかったことがありません。
だから、催眠にかからないのだと思います。
ちなみに私は、座禅も瞑想も下手です。うまく出来ません。頭の中が雑念だらけになります。よって私は、瞑想したくなったら、山を歩きながら歩行瞑想をしたり、海岸の砂浜を歩きながら歩行瞑想をしたり、サウナからあがってサッパリした気持ちの時に瞑想気分を味わったりしています。
ちなみに瞑想は、身体に余分なエネルギーが溜まっていたり、満腹だったり極端な空腹だったりすると、うまく出来ません。瞑想に興味がある方は、どうぞ参考にしてください。
続いて、催眠にかかりにくい人の特徴を列挙したいと思います。
1.へそ曲がりな人
2.集中力がない人
3.依存心が弱い人
4.想像力が乏しい人
5.体調が優れない人
6.冷静沈着で計算高い人
7.催眠を信じてない人
8.催眠にかかったことがない人
上記の人が、催眠にかかりにくい人の特徴です。ほぼ、催眠にかかりやすい人の逆ですね。
一説によると、
催眠にかかりやすい人は1割ちょっとで、2割の人はほとんどかからず、残り7割の人は、催眠療法家の腕、もしくはクライアントの体調次第と言われています。
あと、かかりやすさは、年齢にもよります。12歳以下の子どもは、前頭葉の働きが不十分なのと感受性が強いため、比較的かかりやすいと言われています。
私(竹内成彦)は、残念ながら、かからない人2割に入ってしまったのだと思います。
催眠と催眠術と催眠療法の違い
催眠とは、
他人もしくは自分によって、与えられた暗示により、
精神的変化、肉体的変化が引き起こされた状態のことである。
催眠術とは、
催眠のひとつであり、被験者を、人工的に暗示にかかりやすくし、
術者の与える暗示に極端に注意が集中する、特殊な意識の状態にさせる技のことである。
今言ったように、「催眠=催眠術」では、ありません。
催眠術は、催眠という大きな括りの中にある、ひとつのものなのです。
同じく、私が使う催眠療法も、催眠という大きな括りの中にある、ひとつのものなのです。
次に、もっと大きな括りがあって、コミュニケーションのひとつが催眠なのです。
この場合のコミュニケーションとは、気持・意見などを、言葉などを通じて相手に伝えることを指します。
催眠というコミュニケーションを使うと、相手に何らかの変化が起きます。
そしてもうひとつ。催眠というコミュニケーションを使うと、相手がトランス状態(非日常的な意識の状態)に陥ります。
催眠術とは、エンターテイメント、人を楽しませるものです。
催眠療法とは、心理療法、対人支援です。
よって両者は、似て非なるものです。
ここで催眠療法の誤解を解きたいと思います。
催眠にかからない私ではありますが、私もときに催眠療法を使うことがあります。
クライアントをリラックスさせたり、クライアントに暗示を与えたり、クライアントの行動を良き方向に変化させるためです。
※ クライアントとは、カウンセリングを受けに来た人のこと、来談者という意味です。
ちなみに私は、深い催眠をかけることが出来ません。よって、「不思議体験をしたい」と仰る方は、私の催眠には満足できないかと思います。
※ ヒプノセラピーとは、催眠療法のことです。そして、ヒプノシスとは、催眠のことです。
催眠療法とは何か?
1.催眠療法は、テレビでやっているような催眠ショーではありません。
2.催眠にかかったからといって、眠ったり自分の意識がなくなることは、基本、ありません。というのは、催眠療法では、セラピストやカウンセラーとクライアントが対話をする必要があるので、眠ってもらっては困るのです。よって催眠療法では、深い催眠をかけることはありません。そう、催眠の深さと効果は、比例しないのです。
3.催眠にかかっても、自分のやりたくないことや言いたくないことは、基本、やったり言ったりしません。
4.催眠は、クライアントが非協力的な態度だと、基本、かかることはありません。
6.催眠が解かれたあと、記憶を失っていることはなく、自分が催眠状態で何をしたか、基本、しっかり覚えています。
7.催眠が解かれたあと、しばらくボーッとすることはありますが、基本、後遺症が残ることはありません。
8.催眠は特別な状態ではありません。日常的に起こっていることです。
たとえば、音楽を聴きながら、うっとりしているとき、その人は、催眠状態に入っていると言っていいでしょう。その他、パニック状態になっている時も、催眠状態に入っていると言っていいかと思います。「じゃあ、催眠って何だよ?」と訊かれたら、私は「通常の意識と違うとき」と答えたいと思います。よって、座禅を組んでいる時も、瞑想している時も、催眠と言えば催眠です。催眠は、あれこれ理屈を考えている時ではなく、自分の魂、自分の本質に近付いた時、と言っていいかと思います。
9.「あなたは、お酒が嫌いになる、お酒が嫌いになる」という催眠をかけたところで、その人が、その時から、お酒を飲まなくなることは、基本、ありません。
健常者なら、お酒が少しは嫌いなるかもしれませんが、お酒が大好きなアルコール依存症者が、その時からお酒が嫌いになり飲まなくなることは、基本、ありません。そう、催眠は奇跡でもマジックでもないのです。
私は、催眠には限りない可能性を感じているのですが、
催眠療法も所詮、数ある心理療法のひとつ、特別なものではなく、
来談者中心療法や認知行動療法や遊戯療法や精神分析と同じ、クライアントを援助する療法のひとつだと思っています。
今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。
この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。