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シャーザーに続き、バーランダーも年平均4000万ドル以上の契約を手にする!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジャスティン・バーランダー Jul 23, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ちょうど1年前、マックス・シャーザーは、ニューヨーク・メッツと3年1億3000万ドルの契約を交わした。4333万3333ドルの年平均額は史上最高。ゲリット・コール(ニューヨーク・ヤンキース)の年平均3600万ドル(9年3億2400万ドル)を上回った。

 今オフ、ジャスティン・バーランダーは、シャーザーと同水準の契約を求めているらしい。MLB.comのブライアン・マクタガートは、11月中旬に発表した記事で、ヒューストン・アストロズのオーナー、ジム・クレインがそう語ったと報じている。バーランダーは、年俸2500万ドルの選手オプションを破棄し、アストロズからFAとなった。

 シャーザーは、サイ・ヤング賞を3度受賞している。バーランダーも、今年の受賞で3度となった。また、FA直前のシーズン、2021年のシャーザーと2022年のバーランダーを比べると、シャーザーは179.1イニングを投げ、奪三振率11.84と与四球率1.81、防御率2.46とFIP2.97、バーランダーは175.0イニングで、奪三振率9.51と与四球率1.49、防御率1.75とFIP2.49だ。甲乙つけ難い。

 ただ、今シーズンのシャーザーは37歳、来シーズンのバーランダーは40歳だ(6月30日時点の年齢)。2020~21年のバーランダーは、ほぼ全休だった――トミー・ジョン手術を受けた――ので「使い減り」していないという見方もできるかもしれないが、年齢からすると、契約を交わす球団のリスクは、シャーザーよりも高そうだ。

 バーランダーを欲している球団は、2年9000万ドル前後の契約を提示するのではないだろうか。3年契約でなく2年契約であれば、球団のリスクは低くなる。バーランダーとしても、この契約なら、史上最高額の年平均額となる。

 もっとも、バーランダーがシャーザーの年平均額を凌いでも、シャーザーが再び追い抜く可能性もある。シャーザーの契約には、来シーズンの終了後にFAとなることができる、オプト・アウトの権利がついている。

 ちなみに、2人は元チームメイトだ。2010~14年にデトロイト・タイガースでともに投げ、バーランダーは2011年、シャーザーは2013年に、それぞれ最初のサイ・ヤング賞を受賞した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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