育成外国人コンビが合わせて7安打6打点の広島に、2試合連続の逆転負け《阪神ファーム》
16日から鳴尾浜に広島を迎えてのウエスタン3連戦。初戦は陽川選手の4号3ランなどで逆転勝ちした阪神ですが、17日と18日は逆転を許して連敗となりました。17日は陽川選手が2打席連続のホームランで先制しながら中盤にあっさりと引っくり返されて、9回にダメ押しの3失点で6対2の敗戦。
18日は西田選手がタイムリー二塁打を放って2対0とリードしたものの…直後に連打を浴びて逆転され、9回にはバティスタの12号2ランなど計5安打とエラーが重なって5点を献上。9対2の大敗でした。この試合は取材に行けなかったため、結果のみ書かせていただきます。では17日の試合から。
★17日は陽川2HRのみの2点★
この日は1軍から岡崎選手と伊藤隼選手が参加しました。先発は岩田投手、中7日での登板です。
《ウエスタン公式戦》5月17日
阪神-広島 10回戦 (鳴尾浜)
広島 000 120 003 = 6
阪神 101 000 000 = 2
◆バッテリー
【阪神】●岩田(2勝3敗)‐守屋‐高宮‐石崎 / 岡崎‐小豆畑(8回~)
【広島】戸田(4回2/3)-○小野(1勝1敗)(1回1/3)‐永川(1回)‐中崎(1回)‐飯田(1回) / 坂倉
◆本塁打 陽川5号ソロ、6号ソロ(戸田) バティスタ11号ソロ(岩田)
◆三塁打 土生
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗/失) 打率
1]中:俊介 (5-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .291
2]二遊:植田 (4-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .246
3]左:陽川 (3-2-2 / 1-1 / 0 / 0) .269
4]一:新井 (2-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .356
〃打一:今成 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .275
5]右:伊藤隼 (1-0-0 / 0-2 / 0 / 0) .330
〃走右:緒方 (1-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .264
6]三:大山 (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .223
7]遊:森越 (2-2-0 / 0-0 / 0 / 1) .235
〃打二:板山 (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .200
8]捕:岡崎 (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .167
〃打:西田 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .313
〃投:高宮 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―
〃投:石崎 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―
〃打:狩野 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .328
9]投:岩田 (2-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .000
〃投:守屋 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―
〃打:小豆畑 (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .173
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
岩田 5回 63球 (5-1-0 / 3-1 / 4.65) 144
守屋 2回 20球 (1-2-0 / 0-0 / 6.30) 148
高宮 0.1回 2球 (1-0-0 / 0-0 / 3.86) 137
石崎 1.2回 29球 (2-1-3 / 3-3 / 5.68) 148
<試合経過>
打線は1回2死から3番の陽川がレフトへ5号ソロを放って先制!3回にも、やはり2死からレフトへ2打席連続の6号ソロで2対0とします。先発の岩田は1回、2回と1安打ずつされたただけで無失点だったのですが、4回に2死から4番・バティスタの11号ソロで1点返されました。
さらに5回、先頭の下水流の遊ゴロを、ここまで素晴らしい守備を見せていた森越がエラー。1死後に高橋大の右前打で一、三塁となり、9番・桑原に右前タイムリー。これで同点。なおも1死一、三塁で庄司の二ゴロの間に勝ち越しを許します。
3対2と広島1点リードのまま9回を迎え、8回途中から登板の石崎が先頭のメヒアに左前打されるも小豆畑が盗塁阻止。しかしバティスタに四球を与え、2死後に下水流と坂倉に連続四球(下水流へは死球かと思われましたが、記録は四球)で満塁として、代打・土生に左中間へ走者一掃の三塁打を浴びます。
これで6対2と差が広がって、その裏は三者凡退だった打線。結局は6安打、陽川のソロによる2得点で試合終了です。
掛布監督から岩田投手、陽川選手へ
掛布監督は、岩田投手について「前にも外国人選手に1発やられたんだよな」と、まず2対0の4回に打たれたバティスタ選手のソロを挙げました。前にも、というのは5月2日の広島戦(鳴尾浜)でバティスタ選手とメヒア選手にホームランを浴びたこと。「2点を取って、2アウトの(カウント)2‐2から1発警戒だけなのに、それを打たれる。コントロールミスは命取り。岩田クラスはしちゃいけない」。次の5回に「森越のエラーはあったけど、エンドランを仕掛けられたところは同点までで頑張ってもらわないとね」と勝ち越しを許した場面も指摘。
そして「1発ってのが岩田の課題になってくるね」と掛布監督。5月2日の広島戦に続き、5月9日の中日戦(ナゴヤ)でも1回に近藤選手と石川選手の連続ホームランを許しました。「若い子が打たれるのとは違うからね。岩田は」。期待があるからこその苦言です。
次いで陽川選手へは「きょう2本打って、この6連戦どれだけ内容があるか、だよね。きょうは最後のフォアボールもよかったし」という言葉。前日に「あれは打ってほしかった」と監督が注文をつけた中崎投手から、9球粘って選んだ四球のことです。「(4番より)3番の方が打ちやすいのかなあ。去年も3番を打ってからよくなったよね。野球のリズムが合うのかな」と笑顔でした。
プロ初の2打席連続HR
今季初の2打席連続ホームランを放った陽川選手。いや、今季というよりプロ初かも?ざっと調べただけなので間違っていたらすみません。昨年8月末に『チーム1年ぶり、リーグ5年ぶりの4試合連続ホームラン』を記録してますが、2打席連続どころか1試合2本も公式戦では初めてのような気がします。私の資料では。
前日の4号ソロが飛距離を確認できないほど特大で、完ぺきな当たりでした。この日の1本目も文句なし!2本目は打球の行方を見守る感じだったものの、やはり“らしい”弾道で惚れ惚れします。
試合後に聞くと「1本目はまっすぐ、2本目はスライダーですね。2本目も、いったかな?とは思いました。狙い球とか特に。どちらも甘かったから打ちにいった、という感じなので」と陽川選手。前日に掛布監督が「いい一発が出て、普通は続くもんなんだけど後が…」と話していたように「きのうがきのうだったので、1本打ったあと、しっかりいこうと思っていた」そうです。
でも「3打席目の三振がもったいないですね」と反省の言葉が続きます。三振の多さは例年のことで(すみません!)、ことしも現在リーグトップです。なお3番が打ちやすいかという問いに「気にはしていないです。たまたまです(笑)」というコメントでした。
幻の三塁打…いや二塁打?
西田選手は試合後、外野の芝生のところまで来た時、みんなに身振り手振りで何かを伝えています。左手でボールをつかんでいるようなジェスチャーや、そのボールを差して説明する感じだったので、おそらく7回のレフトフライについてでしょう。練習が終わったところで聞いてみたら「あれヒットですよ!だってボールに金網の跡がついてた!」と力説。
7回に岡崎選手の代打で出た西田選手は、代わったばかりの永川投手の初球を打ちました。ぐんぐん伸びていった打球はレフトのフェンスを越えるか?という当たりで、スタンドで見ていても「ガシャン!」という金網の音が聞こえてきたし、一周してくる西田選手を撮ろうと立ち上がったくらい。でもジャンプした下水流選手がボールの入ったグラブを高く掲げてアピール、アウトの判定です。あのガシャンは、グラブごと金網に当たったのだろうというのが周囲の見解です。う~ん。
ちなみに帰宅後、録画していた放送を見てみると、やはり下水流選手のグラブより先に金網を直撃しているような…。西田選手もそこを力説しているわけですね。「フェンスのとこは段になってるから、こうグラブを出したら金網に当たったボールが入ってくるんですよ」と、非常にわかりやすい説明でした。また「返ってきたボールが置いてあって、見たら金網の跡がついてた」と。なるほど、物的証拠もありますか。
金網ということはフェンスだからホームランではありませんが「ヒットやなあ」と諦めきれない様子の西田選手。しかもレフトですもんねえ。そこへやってきた植田選手に「あれ、三塁打やったやろ?」と聞いたのはいいんですけど「いえ二塁打です」とクールに即答されていて笑いました。おまけに「だって、捕った時にまだ一塁くらいやったでしょ?」と遠慮のないコメントも(笑)
なお「打ったのはツーシームです。永川さん、ツーシーム多いから。狙ってはいなかったけど、最近ちょっと見逃しが多いんで初球からいきました。感触は、意外と伸びたなという感じです」とのこと。そして「いってほしかったですねえ」と残念そう。私も、今季1号か!と腰が上がりましたから。でも、そろそろありそうな気はします。
★18日は西田の適時二塁打のみの2点★
前日の悔しさを晴らすべく、先制の2点タイムリー“二塁打”を放った西田選手。今度は左翼線でした。2015年5月15日の同じ広島戦(鳴尾浜)以来の『5番』での出場。しかし9回に2つエラーをしてしまったこともあり…その裏は見逃し三振に倒れて3打数1安打。まあ阪神打線自体が西田選手の二塁打と合わせて、わずか3安打と沈黙。そして、7回は江草投手の前に3者連続三振を喫するなど、今成選手を除く先発全員が計12三振なんですよね。ちなみに投手陣は15安打で9失点(自責5)という結果です。
《ウエスタン公式戦》5月18日
阪神-広島 11回戦 (鳴尾浜)
広島 000 030 105 = 9
阪神 000 200 000 = 2
◆バッテリー
【阪神】●榎田(3勝1敗)‐柳瀬‐安藤‐田面 / 長坂
【広島】○加藤(2勝1敗)(6回)-江草(1回)‐佐藤(1回)‐飯田(1回) / 磯村
◆本塁打 バティスタ12号2ラン(田面)
◆二塁打 西田、メヒア2、岩本
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗/失) 打率
1]遊:植田 (2-0-0 / 2-1 / 0 / 1) .242
2]右:緒方 (2-0-0 / 1-1 / 0 / 0) .260
〃打:狩野 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .322
〃投:田面 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―
3]一右:陽川 (4-1-0 / 2-0 / 0 / 0) .269
4]三一:今成 (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .263
5]二:西田 (3-1-2 / 1-1 / 0 / 2) .314
6]左:俊介 (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .277
7]中:板山 (3-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .195
8]捕:長坂 (3-0-0 / 1-0 / 0 / 1) .170
9]投:榎田 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .000
〃打:新井 (0-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .356
〃投:柳瀬 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―
〃投:安藤 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―
〃打三:大山 (1-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .232
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
榎田 5回 76球 (7-3-3 / 3-2 / 2.41) 143
柳瀬 2回 21球 (3-0-0 / 1-1 / 1.35) 146
安藤 1回 14球 (0-1-1 / 0-0 / 0.00) 138
田面 1回 31球 (5-1-0 / 5-2 /17.18)140
<試合経過>
先発の榎田は1回、2死から連打で一、三塁としますが、5番・美間は三振で0点に抑え、2回と3回は三者凡退。4回は1安打1四球で1死一、二塁としたあと6番・下水流は二ゴロ併殺打。ここまで3安打無失点でした。打線は1回に植田、2回に西田と先頭が四球を選びながら後続を断たれ、3回は三者凡退とチャンスがありません。しかし4回、緒方の四球と陽川の中前打で無死一、二塁として、2死後に西田が右翼線にタイムリー二塁打!2人を還し先制しました。
ところが5回、榎田は簡単に2死を取りながら9番からの3連打で満塁とし、3番・メヒアに三塁線を破るタイムリー2塁打を浴びます。これで2対2の同点となり、さらに四球で2死満塁。続く美間への3球目で長坂が一塁走者を刺そうとした送球が逸れ、三塁走者を還して勝ち越しを許しました。美間にも四球でまた満塁とするも、下水流は三ゴロで終了。
6回を三者凡退で片づけた2人目の柳瀬は7回、先頭からの3連打で無死満塁として4番・バティスタの犠飛で1点を失います。8回は安藤が無失点。そして4対2で迎えた9回は田面が登板しました。先頭の庄司は遊ゴロエラー、暴投で二塁へ進め1死後にメヒアが左翼線へタイムリー二塁打。続くバティスタの左中間へ12号2ランで7対2。まだ続きます。
美間の打球をセカンド西田が弾いて1死二塁となり、代打・岩本に左中間へのタイムリー二塁打。次の磯村にも左前タイムリーを浴びました。坂倉は遊ゴロで併殺、と思いきや西田から一塁への送球が逸れて坂倉は二塁まで行きます。そして代打・土生の右前打でホーム狙うも、この回からライトを守っていた陽川がダイレクト返球!ノーバウンドでつかんだ長坂がタッチしてアウト。見事な捕殺でした。
なお打線は5回以降、たった2人しか塁に出ていません。5回に四球を選んだ代打・新井と、8回に左前打した代打・大山だけ。9回裏も三者凡退で試合が終わっています。
定位置の3位、またまた5割です
きのう18日の試合が終わり、ウエスタン・リーグは
1 ソ 39 20-16-3 .556
2 オ 33 15-14-4 .517 1.5
3 神 40 18-18-4 .500 2.0
4 広 37 16-18-3 .471 3.0
5 中 36 15-19-2 .441 4.0
という成績。阪神はまた5割で3位、なんだか落ち着く位置ですね。でも連敗で、試合のなかったオリックスの下になりました。
陽川選手の打点は、17日に5号、6号と連発した時点で広島・バティスタ選手を抜いてトップに立ったのですが、その直後にバティスタ選手も11号ソロを放って28打点に並んで終了。18日はバティスタ選手とメヒア選手がともに3打点を挙げ、陽川選手は0で
1 バティスタ 31
2 陽川 28
3 メヒア 、ジェンセン(ソ) 25
という順番です。ホームランはバティスタ選手が12本、ジャンセン選手が8本、次いで陽川選手の6本となっています。
きょう19日からは中日3連戦。きょうは鳴尾浜で、20日と21日は兵庫県立淡路佐野運動公園(ボールパークあわじ)第一野球場で行われます。ことしも玉ねぎ20キロや、お米10キロ、淡路ビーフなどの賞品があるんでしょうかね。お天気がよさそうなので、皆さんもぜひお出かけください!