ヤマハ、開幕5連勝! 清宮克幸監督が明かす、戦力保つ秘訣とは。【ラグビー旬な一問一答】
日本最高峰のラグビートップリーグで前年度3位のヤマハが、開幕5連勝を決めた。10月1日、東京・秩父宮ラグビー場でリコーを47―14で下す。8月26日の開幕節では3連覇中のパナソニックを24―21で下すなど(秩父宮)、強力なスクラムを起点に球を動かす「ヤマハスタイル」を誇示している。
就任6年目の清宮克幸監督は、早稲田大学、サントリーでも指導者として各カテゴリー下での優勝を経験した49歳。サントリー時代の同僚である長谷川慎FWコーチとともに、現在のプレースタイルを確立させた。チームは2010年に親会社がクラブ規模を縮小も、翌2011年度、清宮監督のもと改革に踏み切っていた。
補強の予算などに限りがあるなか、限られた戦力を最大化。その理由について指揮官は、医療スタッフの充実を挙げる。清宮監督とともにリコー戦後の会見に出席した日野剛志ゲームキャプテンは、「今年からできたクラブハウスに(身体の)ケアする施設ができて、コンディショニングを維持できる要因になっている」と話した。
ヤマハは2014年度の日本選手権で王座についている。他の強豪チームには当然のようにあるクラブハウスがないまま、日本一に輝いたこととなる。
以下、会見中の清宮監督と日野ゲームキャプテンの一問一答。
清宮監督
「リコーさんは、勢いに乗ると厄介な相手だと思っていました。先に先制点を取って、終始リードした形で試合をおこなえたのは(前半を33-0と大きくリード)、ヤマハにとって願ったりかなったりという展開でした。おかげさまでボーナスポイントも取れました(相手よりも3トライ以上多く獲得した際の勝ち点)。心配だったのは怪我人。きょう、こちらであった近鉄対クボタの第1試合を観ると、3人ぐらい足の怪我人が出ていた。ただ、うちからは怪我人も出ず、何よりかなと思います」
日野
「きょうは勢いのあるリコーさんがであるということで…」
清宮監督
「言ったよ、それ(場内、笑い)」
日野
「…ただ、受けに回らずに、自分たちのスタイルを出し切れるかどうかを意識しました。キャプテン(体調不良により欠場の三村勇飛丸)が不在だったなかでチームがまとまって勝ち点5を取れた。それはプラスです。ただ、後半はスコアだけ見るとタイ(14―14)。反省すべきところは反省して、次節以降に活かしていきたいです」
――怪我の予防について。
日野
「ここ数年、コンディショニングコーチ、ストレングスコーチの努力おかげもあって、僕たち自身がいいトレーニングを積めている。それで、怪我に繋がらなかったりしています。また、今年からクラブハウスができて、そこにケアする施設ができて、それがコンディショニングを維持できる要因になっているのかもしれないです」
清宮
「それぞれの仕事が結果になって表れているなと思います。怪我人は、コーチングによってある程度防止できるところもありますし、メディカルスタッフのケア、予防、治療でも減らせます。あとは、身体の作り方ですよね。筋肉をどうつけるか、どれくらいの走行距離でシーズンを迎えるか…というもの(プランニング)が積み上がっていって、ほぼ怪我人を出さないチーム作りができていますね」
――開幕5連勝。手応えは。
清宮
「きょうは内容的にも反省すべきところも多いです。伸びしろがまだまだある。それを見据えながら、1つひとつ準備していきたいですね」