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【NHL】「プレーオフに入ってからは絶対にヒゲを剃らない!」これはどのチームが? いつから始めたの?

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
初優勝を達成しスタンレーカップを手にしたアレックス・オベチキン(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今季のNHLはワシントン キャピタルズが、ベガス ゴールデンナイツをファイナルで下し(4勝1敗)、チーム創設44季目で初めてのスタンレーカップを勝ち取って、全ての戦いを終えました。

▼スタンレーカップ フィーバー!

 ラスベガスでの第5戦に勝利して、チャンピオンに輝いたワシントンの選手たちは、地元に戻ってからも大忙し!

 優勝の翌々日には、同じワシントンD.C.をホームタウンとする、MLBのナショナルズの試合に招かれ、コンスマイス トロフィー(プレーオフMVP)を受賞したキャプテンの アレックス・オベチキン(FW・32歳)が、(前代未聞の2球を投じた!)始球式を行いました。

 さらに、国会議事堂やワシントン記念塔などがあるナショナルモール周辺で、スタンレーカップのお披露目と優勝パレードを実施。

 ワシントンD.C.エリアをホームタウンとする北米4大スポーツチームの優勝は、実に26季ぶりとあって、当日は(平日だと言うのに)地下鉄を利用した人だけでも、およそ84万人」!

 この数字は、ドナルド・トランプ大統領の就任式の際より「27万人」も多く、ナショナルモールは、チームカラーの赤一色に染まり、アメリカの首都は、まさしく「スタンレーカップ フィーバー」となりました。

▼オベチキンは再びラスベガスへ!

 優勝決定から一週間が経ち、ワシントンの選手たちも、練習アリーナで今季最後のインタビューに臨むなどして、(NHLアウォードに招かれている選手などを除いて)オフシーズンへ。

 しかし、もう少し忙しい日が続きそうなのが、キャプテンのオベチキンです。

 優勝チームのキャプテンに加え、前述したコンスマイス トロフィーや、モーリスリチャード トロフィー(レギュラーシーズン最多得点賞)も手にしたとあって、NHLアウォード(表彰式)に招かれているため、再び会場となるラスベガスのホテルへ向かわなくてはなりません。

▼心機一転!オベチキンが変わった !!

 NHLアウォードは、例年タレントなどもやってくる華やかなイベントとあって、オベチキンも心機一転!

 プレーオフに入ってから伸ばし続けてきたヒゲを、きれいに剃りました !!

 

▼すっきり&しっかりオビー

 タイトル写真でご覧いただいた姿と比べると、「別人じゃないの!?」と思ってしまいそうなほど、ヒゲを剃って、”すっきりオビー(=オベチキンのニックネーム)”に変わった(戻った)オベチキンですが、実はヒゲを剃ったシェーバーは、、、

 以前からCMキャラクターに起用されている企業の製品

 (当然のことですけれど)”しっかり” 役目を果たしたようです。

▼プレーオフに入ってからは絶対にヒゲを剃らない

 ところで、NHLファンの方は知っていらっしゃるでしょうが、NHLをはじめとする多くの国のアイスホッケー界では、このような慣習があります。

 「プレーオフに入ってからは、負けるまで絶対にヒゲを剃らない」

 これは、どのチームが、いつから始めたのか、知っていますか?

▼始まりはニューヨーク アイランダーズ

 シカゴ トリビューン紙によれば、1980年代に4連覇を達成するなど黄金期を迎えていた ニューヨーク アイランダーズ が始まりだと伝えられています。

 その後、アイランダーズに、あやかりたい!とばかりに、他のチームにも広まっていったそうです。

▼テレビ局からお叱りの言葉が!

 しかし、時代は移ろい、全米テレビ放映権が、2004年を最後にABCテレビから、現在のNBCテレビへ移ったあと、ちょっとした騒動が起こりました。

 3季前のスタンレーカップ ファイナルを目にしたNBCスポーツのチェアマンが、2か月間にわたるプレーオフの戦いの間に伸び続けた選手たちのヒゲを目の当たりにして、こんな指令を出したのです。

「見苦しいからヒゲを剃れ!」

 アメリカでの全国放映権を持つ、いわば ”NHLのお得意様” の一言ではありましたが、今季もヒゲを伸ばし続けた選手が、プレーオフを戦い抜いた姿を見ると、クレームの影響が及ぶことはなかった様子。

 それだけに、来年のプレーオフでもヒゲを伸ばし続けた選手たちが、スタンレーカップを目指して戦う姿が見られそうです。

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

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