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必見!韓国で大ヒットを記録した、話題の”スリラーロマンス”ってなに?

渥美志保映画ライター

今月から月イチでお送りする【韓国カルチャー早耳情報】。むかーし某誌でやってた同名の連載を、こちらで勝手に復活することにしました~。韓流ファンならずとも魅力的な韓国カルチャーをお届けします。以後お見知りおきを!

初回の今回は、明日から一部ケーブルテレビで始まる韓国ドラマ『チーズ・イン・ザ・トラップ』をご紹介します!

今年の1月から韓国で放送され大ヒットを記録したこのドラマ、韓国で大人気の「ウェブトゥーン(ネットマンガ)」が原作のラブストーリーで、主人公の恋愛がすごくいい(もちろん主人公を巡るイケメンたちもいい)のは韓国ドラマファンの期待通りなのですが、それ以外の部分でこれまでとはちょっと違う、「韓国ドラマってどうせコテコテのお約束の展開だらけなんでしょ?」と思っている人をいい意味で裏切る作品になっています。

というわけで、まずはこちらの動画からどうぞ。

●魅力1 「謎の先輩」はトラップだらけ。恋はどんなサスペンスよりハラハラ?!

主人公は名門大学に通うホン・ソル(キム・ゴウン)。物語は、この“恋愛慣れ”してない女子大生と、大学の先輩の“完璧男”ユ・ジョンとの恋愛を描きます。

ソルは、奨学金を取るための勉強とバイトに明け暮れる貧乏女子大生で、決して美人じゃないし女子度も低め。対するユ・ジョンは背が高くてイケメンで成績優秀、性格も穏やかで物腰も柔らかく、どうやらずいぶんお金持ちらしく、女子人気はもちろん男からも一目置かれる存在――と、ここまでは韓流ドラマの王道です。

ところが!その完璧男には「裏の顔」があるんですねー。『チーズ・イン・ザ・トラップ』が“サスペンス恋愛ジャンル”と呼ばれるゆえんです。なぜかユ・ジョンの猛アタックの末に付き合いだした2人、その恋愛自体は視聴者の妄想を叶えるに十分な甘さで、ユ・ジョンはものすごーく優しく、ソルを大切にしてくれ尽くしてくれるのですが、一方で、ソルを辛い目に合わせた人間を「絶対に」許しません。

観客はユ・ジョンの王子様ぶりに「ぽわわーん…」となりながらも、自分が手を下したと相手に気づかせない巧妙なやり方に、ちょっと怖くなってくるに違いありません。もちろんソルもこう考え始めます。「優しいのか…狡猾なのか…ユ・ジョン先輩、一体何者?!」

●魅力2 「王子様」「やんちゃ坊主」「かわいい弟(下僕?)」三者三様のイケメンたち!

そんなソルのまわりに別のイケメンが現れるのは、韓流ドラマの当然の成り行きです。この作品にはユ・ジョンを含め3人のイケメンが登場します。演じる俳優は、ドラマ人気と共に注目を集めている、要チェックの話題の3人!紳士的なエスコート、すらっと高い背、ストレートな告白、まっすぐな瞳、可愛い笑顔などなど、全女子をあらゆる方向からロックオンしてきます~。絶対にあなたを萌えさせます!(と、私が断言しても)

イケメン3人衆。左から役名でクォン・ウンテク、ユ・ジョン、ペク・インホ
イケメン3人衆。左から役名でクォン・ウンテク、ユ・ジョン、ペク・インホ

まずは「王子様」ユ・ジョン。

お金持ちのお坊ちゃまらしい穏やかさと優雅さですが、幼い頃から自制することばかりを強いられてきたために、本当の気持ちを吐き出すことができないし、誤解されても自分から説明することはほぼしません。クールです。でも「下々の生活」は未経験なので、例えばコンビニおにぎりのパックを海苔を破らずに剥がせた時に、「初めて一人でできた…」と嬉しそうな笑顔を浮かべたりする、クールさとのギャップがたまりません!

演じているのはパク・ヘジン。日本では『星から来たあなた』の2番手、不屈の明るさでヒロインにアタックし続けるお坊ちゃま、イ・フィギョン役で一番知られているかもしれません。185cm(もう少しある気がしますが…)の長身で、ホン・ソル役の167cmのキム・ゴウンが抱きしめられる場面で背伸びしている感じなのも、非常に萌えます~。

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その一方で、ソルを密かに思う二番手が「やんちゃ坊主」ペク・インホ。

ひょんなことからソルと出会ったペク・インホは、いつもカツカツの生活をしている男で、当初はソルに合うたびにご飯をたかろうとします。この頃、ソルの顔を見るたびにご飯を奢ろうとするユ・ジョンと対照的でおかしいのですが、この二人はそれ以外もすべて正反対。

インホは、やんちゃで負けず嫌いで正義感が強く、困っている人がいると出て行かずにはいられません。明るく無邪気で可愛げがあり、他人の懐にポンと入り込むことのできるタイプでもあります。

誰に対しても遠慮なくものを言うので、周囲の人の心を敏感に読み取って何も言えなくなってしまい、いつもひとりで我慢してしまうソルも、インホには遠慮せずものを言えてしまいます。でもその実すごい照れ屋で、ふざけたソルに「オッパ(お兄ちゃん)」と呼ばれて、顔が真っ赤になっちゃう。韓国男子は、気がある女の子に「オッパ」って呼ばれるとメロメロになっちゃうんですが、インホは照れすぎ。すごく可笑しくて可愛い場面です。

実はこの人、ユ・ジョンと過去に因縁があって、その愛憎がソルへの思いと複雑に絡み合ってゆきます。でもって10話を超えたあたりから、ペク・インホの悲しさがぐいぐい来ます。

「捨てられた子犬」系!
「捨てられた子犬」系!

演じているソ・ガンジュンは、「5urprise」というアイドルグループのボーカル。映画『ビューティー・インサイド』では、“目覚めるたびに姿形が変わる”という役を1役123人のうちのひとりとして(その中ではポイントとなる場面での役を)演じていました。

韓国のバラエティ番組に詳しい人には、リアリティショー「ルームメイト」のメンバーとしてもお馴染み。色素が薄いタイプで、色白だし目の色がすっごくキレイです。ドラマが終わるころには、すでにスターだったパク・ヘジンを上回るほどの人気が出てしまったとか。ユ・スンホ(『プロポーズ大作戦~Mission to Love』)、パク・ボゴム(『応答せよ、1988』)と同じ、注目の93ライン(’93年生まれ)です。

もうひとりは、ソルの弟分「かわいい下僕」クォン・ウンテク

ソルの親友ボラとともにソルを支える強い味方のウンテクは、ボラを一途に愛していて「先輩を愛する男が、ここにいますよ~!」と常に明るく押しまくる、可愛い弟分。ボラに「やりな!」と言われると「はいっ!」と何にでもベストを尽くしてくれる、ある意味スーパーマンのような(下僕のような?)年下イケメンです。こんな人いたらいいわあ。

ソルの恋には絡んできませんが、めちゃめちゃ陽気なボラとのコンビは、時に一人で悶々としてしまうソルを常に明るく盛り上げてくれるし、ドラマでも二人が出てくるとすごーく楽しい気分になります。

演じるナム・ジュヒョクは身長188cm(182cmのソ・ガンジュンが小柄に見えちゃうこの顔ぶれ、巨人の国かと思います…)の人気モデル。どこか幼さの残る顔立ち、すらりと高い背とがっちり胸板で、人気にならないはずがないですね。ドラマの後に出演したバラエティ番組「学校に行ってきます」でダメ押しの大ブレイク、SNSフォロワーは200万人越えだとか!

●魅力4 自分の大学時代を思い出す、青春の甘苦さ

さて最後に、ドラマの最大の魅力を。それは見た人はきっと自分が20歳そこそこだった頃の甘苦い気持ちをを、懐かしく思い出すんじゃないかなと思うことです。

ホン・ソルとユ・ジョンの恋は、その一方で苦い部分もたくさんあります。それはユ・ジョンの謎が、というよりも、ふたりがものすごーく不器用だからです。相手を知りたいと思いながらも踏み込めない、相手に知ってほしいと思ってもさらけ出せない――それは自分が嫌われてしまうかもしれないと思うからなんですね。二人に限らず、周囲の仲間たちもみんな、多かれ少なかれそういう思いを抱えています。

大人になると、「そんなことで壊れる関係は最初から壊れるもの」とか「人と人が分かりあえないのは当たり前」とか「よくわかんないから、放っておこう」とか思うようになりますが、若い頃はそうは思えませんでしたよね。「人は分かりあえる」と信じて「分かりあいたい」と願って、そのくせ「分かってもらえないかも」と悩んでいて、だからどこかでみんな寂しい。その感じ――青春時代の感じが、このドラマの全編で繊細に描かれているんですね。最終回には、それが失われていくことの切なさがひしひしと伝わってくると思います。

もちろんそこまでには、サスペンスあり、三角関係あり、陰謀あり(マンネリの「出生の秘密」とかがないのがエラい)で中だるみすることも全然ありませんので、見始めたら必ずたどり着けると思いますよ~。

まずは明日の初回のみ無料先行放送で、是非お試しくださいませ!

■放送情報

2016年4月3日(日)1話先行放送!

「チーズ・イン・ザ・トラップ(原題)」

2016年4月3日(日)1話先行放送!

午前11:45~午後1:00

2016年4月13日(水)スタート!

本放送(水)(木)午後10:00~11:15

再放送(木)(金)午前8:00~9:15 (日)午後3:30~6:00(2話連続放送)

■関連サイト

M-net

■関連動画

https://www.youtube.com/watch?v=RG-mNqHTstw

https://www.youtube.com/watch?v=5pYasUmJL30

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映画ライター

TVドラマ脚本家を経てライターへ。映画、ドラマ、書籍を中心にカルチャー、社会全般のインタビュー、ライティング、コラムなどを手がける。mi-molle、ELLE Japon、Ginger、コスモポリタン日本版、現代ビジネス、デイリー新潮、女性の広場など、紙媒体、web媒体に幅広く執筆。特に韓国の映画、ドラマに多く取材し、釜山国際映画祭には20年以上足を運ぶ。韓国ドラマのポッドキャスト『ハマる韓ドラ』、著書に『大人もハマる韓国ドラマ 推しの50本』。お仕事の依頼は、フェイスブックまでご連絡下さい。

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