【16日は気温急降下】気候変動で「寒の戻り」の意味が変わる!?気象予報士解説
昨日15日は関東や西日本を中心に広い範囲で気温が上がり、強い南風も吹いて、気象庁は関東・北陸・四国で「春一番」が吹いたと発表しました。
一方、今日16日は各地で気温が急降下。最高気温は15日と比べて15度前後も低くなるところが出てきそうです。
でも実は、「春一番」のあとに気温が下がるのは、ある意味"当たり前"なのです。
前日差マイナス15度も……16日の気温は
今日16日の予想最高気温は東京14度、福岡12度と、前日より約8度下がる見通しで、さらには仙台7度、福島6度、長野4度など実に前日より15度前後も下がるところも出てきそうです。
季節が一気に逆戻りする形ですが、実は「春一番」のあとは大抵、強烈な寒の戻りがセットになっているのです。
必然的な「冬型」
「春一番」は日本海で低気圧が発達することで強い南風が吹くと発表されます。
そして低気圧は偏西風によって西から東へ通過していきますから、「春一番」が吹いた後は低気圧が日本の東の海上へ抜けて、かわって大陸からは高気圧が近づいてきます。
すなわち西に高気圧、東に低気圧という、西高東低の「冬型」の気圧配置です。
「冬型」の気圧配置は北からの寒気が流れ込みやすい構図。
つまり、「春一番」のあとはどうしても必然的に「冬型」になり、気温が急降下せざるを得ないのです。
「寒の戻り」の意味が変わる!?
気象庁HPによると、「寒の戻り」は「3月〜4月に再び寒くなること」とされています。
一方、広辞苑では「春先に寒さがぶり返す現象」です。
要するに「春先」というのを数字を使って表すと「3月〜4月」だということですが、今シーズンのような極端な暖冬だと、2月でも「春先」と言いたくなる気温になることがあります。
温暖化で地球の平均気温が上がる際、北極や南極付近は赤道付近よりも温度上昇幅が大きい傾向にあり、(ちょっと専門的な話ですが)極付近と赤道との温度差が小さくなると偏西風の蛇行が起きやすくなるため、温暖化が進むほど極端な暖冬の年も増えると考えられます。
もちろん今シーズンの暖冬がどのくらい「温暖化のせい」なのかは今後の解析を待つことにはなりますが、将来的に2月から「寒の戻り」という言葉を使うことに違和感がなくなっていくのは間違いなさそうです。