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【高野町(高野山エリア)】酵母でシュワシュワ遊ぶ。松葉でお手軽さわやか天然酵母サイダーの作り方

田中寛人地域のあしもとマイスター(橋本市・高野町)

松の葉っぱと砂糖水だけで、見ても楽しい、さわやかサイダー作れます。
昔ながらの発酵飲料です。

松の葉はちぎると香りが良いです
松の葉はちぎると香りが良いです

理論:

松葉についている酵母によって砂糖が加水分解されてブドウ糖(グルコース)になり、更に、ブドウ糖がアルコール発酵によって分解されると、エタノールと炭酸ガス(CO2)ができます。

採集時にはヤニが手に付きます。あとでアルコールで拭くと取れます
採集時にはヤニが手に付きます。あとでアルコールで拭くと取れます

【材料】

・松の葉(新芽)…両掌のサイズくらいのざるにいっぱい

・炭酸水の入っていたペットボトル(中の液体の匂いが残って無いため使いやすい)

・水…450mlくらい

・白砂糖…50gぐらい~ 

(1)枝から松の葉を一本ずつ取り、葉っぱをさっと水で洗う

(2)ペットボトルに松の葉を入るだけ詰める
(足らなくても問題ありません。炭酸が溜まるまで時間が余分にかかるだけです)

(3)砂糖と水を合わせておいた砂糖水を8分目くらいまで入れる。松の葉が水面下に来るように、箸などで調整してください。 
※入れすぎると炭酸の逃げ場が無いので必ず少し空間をあけておいてください

(4)蓋を締めて日当たりの良いところに3日間くらいおく →泡が出てきます

(5)3日後以降は設置場所はどこでも構いません。飲みたいタイミングでペットボトルごと冷やしてお飲みください。飲んだ後は、常温に置いてまた砂糖水を追加しておくとサイダーになります。

炭酸の泡がお分かりいただけるだろうか
炭酸の泡がお分かりいただけるだろうか

ちょっと拡大。泡がたくさん生成中
ちょっと拡大。泡がたくさん生成中

中身だけ取り出してみました。松ヤニのおかげで少し乳白色です(香り成分でもある)
中身だけ取り出してみました。松ヤニのおかげで少し乳白色です(香り成分でもある)


・味は発酵の進み具合に左右されます。そこを楽しんでください♪

・炭酸が欲しい方は、砂糖を追加してください。炭酸の生成具合はペットボトルのふくらみ具合で判断します。

・酵母によって砂糖が徐々に分解されるので、甘みが欲しい方は追加で砂糖を入れた翌日飲むと甘みが強いです。

・ペットボトルに1年入れたままでも発酵は進みます。たまに確認して、ペットボトルが炭酸により膨らみすぎて危険な場合は飲むか、空気を抜いてあげてください。放置しておけばまた炭酸が少しずつ溜まっていきます。(テスト済み)

・松の葉が時間の経過と共に変色してきますが、問題ありません。

せっかく高野町に住んでいるので、身近にある松と似てるコウヤマキでも作れないかと仕込んでみましたが、香りは良いけど非常に苦いサイダーになりました。松がやっぱり美味しい。

コウヤマキも一緒に仕込んでみました。苦いのが分かっていたので少量だけ投入。
コウヤマキも一緒に仕込んでみました。苦いのが分かっていたので少量だけ投入。

皆さまも天然のシュワシュワをお楽しみください。

地域のあしもとマイスター(橋本市・高野町)

和歌山県高野町在住。現場のフィールドワークを通してその土地ならではの地域資源を掘り起こし、地域づくりにつながる高付加価値商品開発や体験プログラムの企画造成支援や実践を行っています。そのスキルも活かして皆さまのまだ見ぬ和歌山県をお届けしていきたいと思っています。民俗学と発酵と和の薬草と昆虫食と染色のイベントもしています。

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